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第1話 運命の日



ピピピピ、ピピピピ、ピピピッ…………



「………朝か」


時刻は6時。


一人暮らしなので毎朝弁当を作りあまったオカズを朝食にしている。

コンビニや学食という手もあるが金が掛かる。


「んっ………」


軽く背伸びしてキッチンへ向かう。







キーンコーンカーンコ――ン



「おはよう皐月(さつき)君」


「おはよう」


クラスメイトと挨拶を交わす。


席に座ると一人が歩み寄ってきた。


「おい皐月、昨日のテストどうだった?」


「うっせぇ聞くな、クラスメイトB」


「B!? Aは誰だ? いやてか扱いひどっ!」


こんな話をする毎日。

だが飽きる事も無くこれはこれで気に入っている。




授業時間は過ぎて昼飯時。


弁当を手に持ちいつもの屋上へと向かう。

教室で食べてもいいのだがここで食べるのが好きなのだ。


「遅かったじゃないか龍介(りゅうすけ)、今日のオカズは何だ?」


「腹減った〜」


目の前には二人。

一人は女性でこの学校の教師、剣道部の顧問をしている。

名前は柳沢(やなぎざわ) 涼子(りょうこ)

黒髪の長髪で今時珍しいポニーテール、結構綺麗なのだが本人はカワイイ系だと思っているらしい。


もう一人はさっきのクラスメイトB、以上。


「やっぱり扱いひどくない?」


「気のせいだ」


「ま、俺は柳ちゃんと食べれるなら何でもゴフッ!?」


涼子の拳がバカの腹に入る。


「私は教師だぞ、ちゃんは止めろ」



「毎度毎度、俺の弁当狙うなよ」


「別にいいじゃないか、減るもんじゃないし」


「いや減るから」



結局今日も分け与えることになった。

あのバカは側で倒れている。

そんなに効いたのだろうか?


「そういえば龍介、たまには剣道部に顔出せよ?」


「バイトあるから無理だ」


「顧問としてはそんな奴はさっさと退部させたいのだがな」


「ならそうすればいい」


「めんどくさい」


こいつは…………



「皐月、まだバイトしてんの?」


いつの間にかバカが起き上がっていた。


「まぁな」


「俺も始めようかな?」


「聞くなよ」


「どんなバイトだ? 我が生徒B」


「柳ちゃんまで…………もうBでいいですよ!」


おお、何か泣きながら認めた。


「どんなってなぁ……………エロイと「死ね」ギャアアアアアアアアア―――――」


やっぱバカだな…………合掌くらいはしてやろう。



そして放課後、剣道部へは行かずバイト先へ向かう。

居酒屋で主に接客をしているのだがたまにつまみなども作ったりしている。

16からは普通無理だったのだが、一人暮らしで親も居ないとわかると快くOKしてくれた。

うん、世の中いい人はいるもんだな。



バイトを終えて家に帰る。

家に着くと夕飯を作り、しばらくしてから筋力トレーニングを一通りこなす。

追われる身となってからは毎日身体を鍛えているのだ。

それから風呂に入る、心地よい疲労感が来たところで眠る――――


これが俺の今の一日だ。 悪くは無い、むしろいつまでも続いて欲しいとさえ思う。

そして今日もいつものように目を閉じる……………





『ヤアァァァァ――――!!!』


この日、親父さんが急病のためバイトは無く久しぶりに部活に出ていた。

部員は十人程だったが皆相当強い。

しかし龍介は剣道ではこの中でNO,2だ。

一番は部長なのだが結構良い勝負をする。

部活にこないのにと周囲からは妬まれる事もしばしば。


「よし止め! 各自防具の手入れをして帰るように、では解散!」


『ありがとうございました』



「おい龍介ぇ〜、お前全然来ないのに何でそんなつええんだよ!」


更衣室に移動し部員の一人が龍介の首根っこを取っている。


「痛いですって! 先輩」


「おいおい、それくらいにしとてやれよ〜」


「コツ教えろよコツを」


「コツですか……………無心になる……ですかね」


「基本だろうが!」


「や、結構雑念入ってましたよ」


「むぅ〜………」



周りに居た数人が笑っていた。





「よ!」


校門のところでバカがいた。


「俺を待ってたのか? クラスメイトB」


「もうそれはいいよ……………俺は柳ちゃんを待って「あいつなら今日は宿直らしいぞ」マジで!?」


「あぁ〜あ、ついてねぇ〜な〜」


そう言い歩き出す二人。



「ッ!?」


しばらく歩いていると突然頭の中で何かが過ぎる。



『たす…て…くだ…………』



女の声が聞こえたような気がした。


「どうした?」


「いや何でも―――――!?」


足元を見ると薄く光を放つ魔法陣が描かれていく。


まずい!? これは!


「おい! 俺から離れろ! 早く!」


「は? いきなり何?」


「チッ! 恨むなよ!」


龍介は強引に蹴り飛ばす。

近くの塀に背中からぶつかり悶え苦しむ。


「カハッ!? お前……ゲホッ……何………しやが……!?」


その瞬間、龍介の足元を中心に強い光が辺りを照らす。


やがて光は消えるも、そこには龍介の姿は無かった。




この日を境に俺の人生は一変した。

いやもしかしたら魔法使いに生まれてきた時点で、運命は決まっていたのかもしれない。





クラスメイトBの名前出てきませんでしたね〜

龍介「ていうか名前あるのか?」

さぁ? 無いんじゃない?

龍介「ひどいな………それは」


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