コスプレ集団に出会いました。
朔は一番近くにあるテントへと近づいた。
開いている入り口らしき場所から中を覗く。
「すみません~…どなたか、いらっしゃいませんか~?」
テントの中は薄暗く、人の姿はなかった。
次へ行こう。
そう思って振り返ると、キャンプ場の奥のほうからバタバタと何かが走ってくる音が聞こえてきた。
音はこちらに向かって響いてくる。
朔は反射的にそちらを見た。
…人だ!
近づいてくる人影を目にして朔は喜びと安堵の表情を浮かべた。
しかし…。
走ってくる人物達の姿がはっきりと見えてくると、その表情はみるみる崩れ、ひきつった。
その人物達は全部で四人。
全員男性で、長身。
頭髪はそれぞれ、赤、青、黄色、そしてオレンジ。
服装はーー皆一様に銀色の鎧を着ていた。
うち二人は、模造剣だろうか、腰に剣をさしていた。
「…コスプレ?…キャンプ場で?」
…いや、たとえキャンプ場であろうと、どんな格好をするかは個人の自由だ。
…そう…自由であるはず…自由、だよね?
……深く考えるのはやめておこう。
そう結論づけると、朔は気を取り直し、コスプレ男…もとい、鎧姿の男性達に声をかけようと口を開いた。
「あのぅ、すみませ…ん?」
声をかけた朔に気がつかなかったのか、男性達は足を止める事なく朔の前を通りすぎた。
「えっ、あ、あの…!」
朔は慌てて男性達の後を追った。
男性達はキャンプ場の入り口付近で足を止めると、前方を険しい表情で見据えた。
朔が追いついた時、赤毛の男性がオレンジの毛の男性に話しかけていた。
「※※※※※※!※※※!」
「へ?」
それは朔が聞いた事のない言葉だった。
「え…何?…もしかして、外人さん?その頭髪もまさか、地毛?」
でも服装については間違いなくそれコスプレだよねーー。
朔が心の内で余計なツッコミをしていると、オレンジの毛の男性は右手に持っていた半月型の何かを顔の横まで上げ、構えた。
中心に細長い棒のような物をあてると素早く引く。
「…弓矢?…えっ!ちょ、待って、まさか…!」
朔が声を上げるのと同時に、引き絞っていた矢放たれる。
矢の飛んでいく方向には、あの翠色の獣がいた。
「よ、避けて…!!」
朔は獣に向かって大きく叫んだ。
獣は横に飛び退き矢をかわす。
トスッ!
直後、矢は今しがたまで獣がいた場所に突き刺さった。
獣は一度朔を見ると、くるりと踵を返し、地を蹴り駆け出した。
「※※※※!」
赤毛の男性は何かを叫ぶと、腰にかけていた鞘から剣を抜き放ち、獣の後を追おうというのか、走りだそうとした。
「!…待ちなさいよっ!」
それに気づいた朔は、赤毛の男性の背後にガシッとしがみついて阻止する。
そして男性の背中ごしに、走り去る獣の姿を見た。
…今度こそ行ってしまうね。ここまで連れて来てくれてありがとう。さようならー。
どんどん小さくなる獣の後ろ姿を見つめながら、朔は心の中で、お礼と、別れの言葉を告げた。
獣が完全に見えなくなるのを待って、朔は赤毛の男性から離れた。
さて、今日の5話目。
赤毛の男性が何を言っているのかちっともわかりませんね。
この部分をどうしようか迷ったのですが。
後書きで恐縮ですが、記載しておきます。
まず "朔が追いついた時、赤毛の男性がオレンジの毛の男性に話しかけていた。" のあと。
「奴を入れるな!射殺せ!」
次に "獣は一度朔を見ると、くるりと踵を返し、地を蹴り駆け出した" のあと。
「逃がすか!」
と言っていたのでした。
この後から徐々に登場人物が増えていく予定です。
セリフのかき分け頑張りますが、どれが誰のセリフかわからなかったら遠慮なくご指摘下さい。←
あと、一言でも感想戴けたらとても嬉しいです。