仲間入りしました。
前回の後書きに書いた通り、この回から主人公の名前がフィー・ストロベルに変わります。
ご了承下さいませ。
セイヴィリムの天幕を出て、右方向に少し歩くと、流星旅団のメンバーがそれぞれ、思い思いに過ごしていた。
「皆、集まってくれ」
フェザークがそう声をかけると、全員すぐさまフェザークとフィーの前に集まった。
フェザークは全員の顔を順に一瞥すると、口を開いた。
「我が流星旅団に、新しい団員が加わった。フィー・ストロベルだ。皆、すでに承知している事と思うが、彼女は戦えん。従って、戦闘には加わらん。…意味は、わかるな?全員、しかと心に留め置くように」
「あ、あのっ、戦えは、しませんが、後方支援とかはできるように頑張ります!よろしくお願いします!」
フィーはそう言って勢いよく頭を下げた。
すると、赤毛の男性が微笑みながら一歩前に進み出た。
「そう固くなる事はないさ、フィーさん。歓迎するよ。俺はルヴィーク・ベニシュ。この流星旅団の副団長を務めている。よろしく頼む」
「ルヴィークさん、ですね。よろしくお願いします」
赤毛の騎士さんかあ。
レイドさんも赤毛だったけど…比べるとレイドさんは赤、ルヴィークさんは紅って感じ。
同じ赤毛でも、少し違うんだなぁ。
…そういえば、他の人も…。
フィーは団員達に視線を走らせた。
紺色の毛の男性、金髪の男性、淡い黄色の毛の女性、紫の毛の女性、桃色の毛の女性がいる。
イシュマさんは、茶色、というか…栗色だし。
色々な髪の色があるんだなぁ。
さすがファンタジー世界。
そんなふうにフィーがこの世界の人々の髪の色について一人思いを巡らせていると、ルヴィークが再び口を開いた。
「さて、団員達を紹介しよう。左から、リューイ・コルン」
紺色の毛の男性だ。
「ヴィル・コオルド」
金髪の男性だ。
「クリム・ベーシュリー」
淡い黄色の毛の女性だ。
「ユスティ・ハーフェル」
紫色の毛の女性だ。
「ミレット・モーモピクス」
桃色の毛の女性だ。
「イシュマ・クリミド…は、もう紹介する必要はないか」
「はい。皆さん、よろしくお願いします」
フィーがもう一度そう言うと、団員達は微笑みながら、右手を胸に当て、騎士の礼を取った。
あ、これ、さっき見た。
護衛の騎士さんが王様に対してしてたやつだ。
…騎士の挨拶みたいなものなのかな?
それなら。
フィーは姿勢を正すと、右手を胸に当てた。
それを見た団員達は笑みを深め、大きく頷いた。
フィーは、これで騎士の仲間入りだ、と言われた気がして、嬉しそうに微笑んだ。