雷が落ちたら見知らぬ場所にいました。
主人公は17歳、性別、女子。
名前、日向朔。
どこにでもいそうな平凡な女の子が異世界で"居場所"を手に入れようと奮闘するお話です。
学校からの帰り道。日向朔〈ひむかいさく〉は空を見上げながら早足で家への道を歩いていた。午前中晴れ渡っていた青空は今、どんよりとした厚い灰色の雲におおわれている。
「雨、降るのかなぁ…予報では一日晴れって言っていたのに。とにかく、傘持ってないし、急いで帰らないと」
どうか家に着くまで降りませんようにーーそう祈って、朔は更に歩くスピードを上げた。
しかしそんな思いもむなしく、家まであと少しというところで、頬に冷たい雫が落ちてきた。
そしてそれはすぐにどしゃ降りの雨に変わる。
「うわ、降ってきた…!」
仕方ない、走るかーーそう思った時、すぐ近くで閃光と共に凄まじい轟音が鳴り響いた。
「きゃああっ!」
朔は思わず悲鳴を上げ、目を瞑る。
轟音が過ぎ去るのを待って、目を開けるとーー朔の眼前には、アスファルトの道ではなく、一面の広大な草原が広がっていた。
どしゃ降りだった天気も、嘘のように晴れ渡っている。
「…え、何?…ここ…どこ?」
状況が飲み込めず、朔は茫然と立ち尽くした。
自分の考えた物語を誰かに読んで欲しい。そんな思いから登録して、ノリと勢いで書いて投稿する第一作目。
少しでも楽しんで読んで貰えたら嬉しいです♪