お仕事体験
『桜花さん、桜花さん、起きてください!』
「ん~~~。」
『桜花さん!!』
「なに~~?」
『なに~~? じゃないですよ!起きてください!!』
「何で~?」
私は時計に目をやる。時刻はまだ朝の3:30だ。
「まだ3:30だよ~~。」
『侍女は、基本4:00起床なんですけど多分時間がかかると思うんで。』
ソフィアのその言葉を聞いて私は勢いよく体を起こす
「そうだった!でも、じゃあ何でこの時間?」
『後々わかりますよ。ほら、さっさと着替えますよ!』
「これ、特別な着かたってあるの?」
『とくには無いですけどたぶん、桜花さんが、いや、普段着慣れていない方でしたら着にくいと思いますよ。』
「大丈夫だよー!だってぱっとみ楽に着られそうなんだもん。」
『ふー。皆最初はそう思うんですよね。』
ソフィアがぼそっと何かつぶやく
「ソフィアなんか言った?」
『いえ、何も』
「よーし!じゃあさっそく!」
まずブラウスを着てー。
私が一人で出来たのはそこまでだった。
『だから言ったでしょう?』
「だって・・・」
私はブラウスを着てその後首にリボンを巻こうとして失敗。
気を取り直してスカートをはこうとしてこける。
スカートに取り付けてあったズボンのようなものをはくのに苦戦。
黒のエプロンをつけようとしてリボンを通す穴を間違える。
まあ、そんなこんなで今ソフィアに手伝ってもらってます。
『はい、できました!』
ソフィアに手伝ってもらって数分で完成。
「おお。そういやソフィアなんで着替えてないの?」
『桜花さんの部屋で着替えようと思って。』
そう言ってソフィアはその場で着替え始めた。
ソフィアは私が着るのに30分くらいかかった服をものの数分で着替えることができていました。
「は、はやい・・・」
『まあ、私も伊達に数年ここで働いてませんから。』
「ソフィアっていつからここで働いてるの?」
『そうですね。7歳の時からここで働いてます。もうここで働いて6年になりますかね。』
「7歳!?6年!?すっご!」
『驚きすぎですよ。基本、侍女として王宮に上がる場合、7~8歳か12~13歳の間に上がるんですよ。』
「へー。じゃあここのメイドさんって皆若いの?」
『いえ、そんなことはないですよ。っと、時間なので歩きながら喋りましょう。』
「うん。」
私達は部屋んでて歩きだした。
といっても私は道がわからないからソフィアについていくだけだが。
『さっきの続きの話ですが、ここに来てもう20年30年の人もいますから皆若いわけじゃないんですよ。』
「へ~。そうなんだ。じゃあ一番長く働いてるのって誰なの?」
「そうですね。確か一番長く働いているのは70年…だったと思います。」
「な、70年…。」
『すごいでしょう?』
「私には無理だ。もって2・3年。」
『短いですね。あ、着きましたこっちです。』
「あ、待って」
ソフィアに続いて入った部屋にはメイド服を着た人がいっぱいいた。
「5:00だ皆そろったか」
先頭に立っている人が声をかけると他の人はピシッと背筋を伸ばし腕を前でくんでいた。
私はよくわからなかったからとりあえず真似しといた。
「今日も各自仕事に励むように。予定に変更はない、朝御飯を食べて仕事に向かうように。以上!」
その人が話終わると一斉に「はいっ!」と声がした。
ソフィアと一緒にその部屋を出ようとすると呼び止められた
「ソフィア」
『なんでしょうか。』
「今日は仕事を体験したいと言う者がいたな。隣の者か。」
『はい。』
「えっと、麗舞 桜花です。きょ…本日はお世話になります。」
「話は聞いている。今日は2人で庭掃除と離塔の窓ふきを頼む。終わり次第今日はあがっていい。」
『はい。かしこまりました。では、失礼いたします。』
そう言って部屋を出た。
「ソフィア、今の誰?」
『あの方は侍女長です。』
「そうなんだ。30歳くらい?」
『侍女長は確か50過ぎてますよ。』
「まじ!?」
『はい。』
「どうやったらあんなんになれるんだろ。」
『不思議ですよね。あと、今日の私達の仕事は庭掃除と離塔の窓ふきです。』
「庭掃除と窓ふきか。楽勝~!」
『甘く見てはいけませんよ。』
「え?」
『ここは王宮。その王宮の庭が狭いわけないじゃないですか。』
「そうなの?」
『まあ、見ればわかりますよ。でもその前に朝御飯です。』
会話を交わしながら私はソフィアに貰ったサンドイッチをほうばりながら横を歩いて庭を目指した。
『着きましたよ。』
「何これ…。」
庭は、想像をはるかに上回る広さだった。
「何これ……」
『だから言ったでしょう。』
「想像をはるかに上回ったよ。てか、遠かった。」
『そうでしょう。とりあえず、落ち葉をはくのでほうき持ってください。』
ソフィアはそう言ってどかからか取り出したほうきを私にさしだす
私はそのほうきを受け取りソフィアに指定された場所をほうきではいていた。
「……………」
『……………』
黙々と手を動かす。
「ソフィア」
『……』
「いつまで掃けばいいの?」
『庭全体の落ち葉がなくなるまでです。』
「わかった。」
その後も黙々と掃くこと4・5時間後
「や、やっとおわった~。掃き掃除で手に豆ができるなんて初体験だよ!」私はその場にへたりこんだ。
『お疲れ様です。お昼過ぎちゃってますけど、食堂行きましょう。』
「うん。」
朝御飯にサンドイッチした食べていないからお腹がすっからかんだ。
余談だが私は朝はがっつり食べたい派なのだ。
ソフィアの案内で食堂まで行った。
ランチは日替わりらしく、食堂のおばちゃんはパンと甘辛くしたお肉に野菜とコンソメスープのようなものをくれた。
「いっただきまーす!」
『いただきます。』
私はとにかくがっついた。
おかわりもあると言うのでおかわりをもらいお昼ご飯はおわった。
「はあ、美味しかった~。」
『あの食堂のご飯は毎日美味しいですよ。』
「いいなー。ソフィア達は皆毎日あんなご飯食べてたの?」
『そう言いますけど桜花さんが毎日食べているご飯はマリア様が食べているご飯と同じなんですよ?』
「確かにすっごい美味しいけどさー たまには普通のご飯が食べたいよ」
『そうゆうもんですかね?』
「そうゆうもんですよ。」
『でも、私も一回でいいから食べてみたいです。』
「お願いしてみようか?」
『いいんですか!?』
「うん!」
『お願いします!っと着きましたよ!』
「ここ?」
『はい。』
「うん。大体予想はしてたけどやっぱひろー。」
『そうですか。はい、じゃあ雑巾持って、拭きますよ!』
「ふぅ~い。」
私はソフィアがどかからか取り出した雑巾を受け取り、水道で塗らした。
『じゃあ、私がこっち側を拭くので桜花さんは向こう側をお願いしますね。』
「わかった。ねえ、勝負しない?」
『勝負ですか?』
「うん。どっちが早く綺麗に拭けるか勝負!」
『いいですよ。やりましょう。』
「よっしゃ!」
『桜花さん、ルールを一つ。』
「なに?」
『拭いている途中に絶対相手の方を見ない!』
「いいよ。そのルールでいこう!」
『それじゃあ、準備してください!』
私は自分の場所に向かう。
(ふっふっふっ。これでも窓拭きは得意な方なんだ!)
『それじゃあ、位置について、よーい、どん!』
ソフィアの掛け声と同時にふき始める。
そしてまた黙々と拭くこと二時間後
『終わりましたー!』
上からソフィアの声が聞こえる。
「えっ!?私まだ半分しか終わってないよ!?」
『私も伊達に6年侍女してませんよ。』
「参りました。」
私はふかぶかと頭を下げた。
『はいはい。さ、手伝いますから早く終わらせましょう。』
「うん。」
結構自信あったからけっこうショック…
あんな大差つけられて負けたら自分の中でソフィアの方が掃除得意だからって理由で開き直れないじゃん…!
『桜花さん?』
「な、なに?ソフィア!」
『ぼーっとして、大丈夫ですか?』
「大丈夫だよー!ちゃっちゃと終わらせますか!」
『そうですね。』
ソフィアが加わったことにより作業ペースが上がり私が二時間かけてやった半分をものの三十分でおわらせてしまった。ソフィアの窓を拭いていく動作はとてつもなく早かった。
私が1枚ふき終わっているころにはソフィアは2枚ふき終わっていた。
「なにこれ、早っ」
『私、ここで働きだした当初はずっとここで窓拭きしてましたから。』
「一人で?」
『いえ、二人で。』
「あー。だからか。」
『納得していただけましたか?』
「はい。納得いたしました。」
『それじゃあ、今日の仕事はこれでおしまいです。』
「やった~!!」
『明日も頑張ってくださいね。』
「え?明日?」
『はい。だって暇なんでしょう?』
「え、でも、急に言ったら侍女長さんに迷惑かかるから…」
『心配には及びません。前もって言ってあります。』
「で、でも…」
『でもも何もありません。これは決定事項です。明日から頑張ってくださいね。』
「そ、そんなぁ~~」
こんな訳で私は地球に帰る前日まで働かされた。
明かされたソフィアの年齢。
若いです。
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桜ソフィア。
ソなんですか?
桜最初の訂正。私絶対1年もたない自信ある!
ソ変な自信ですねー。




