第11話
シャリシャリと歩くたびに沈む砂
見とおせぞ 先の見えぬ広大な大地に半ば呆れながら歩いていた
「だから 暑いって!
何よこの高温?!死ぬわ!!」
『まあ時期涼しくなりますって』
「あり得んわ 嘘つくな騙そうったってそうはいかない!」
『本当ですって だって砂漠の夜は氷点下ほど寒くなるんですよ』
「……。」
私は言葉を失った。
『あっ!桜花さん、前!!』
「え?」
そう言って、前を向いた瞬間、アリ地獄に落ちました。
「ぎああぁぁぁ!!!」
『きゃぁぁぁ!桜花さん!!』
「たすけて!下!下になんかいるーー!!」
『あぁ、なんだ、ただのアリ地獄ですね、でもただのアリ地獄じゃないですね、人食い虫ですね。あーよかったこれなら大丈夫ですね』
「全っ然大丈夫じゃねぇーっ!てか平然と言うなぁっー!!たすけろぉ!!!」
『え?なんか言いました?』
「生意気な口きいてすいませんでした!たすけてください!!お願いします!!!」
『しょうがないですね』
そう言ってソフィアはふわっととび私をひっぱりあげてくれた。
その時、私は思った「あぁ、ソフィアってそういや妖精だったな…。」と、ソフィアがすごい鬼畜だから忘れてた。
『桜花さん、今なんか失礼な事考えませんでした?』
「いえ、何も!お助け頂きありがとうございました!!」
「(こいつ読心術でも使えんのかよ…)」
『……。まぁいいです。次から気をつけてくださいね。』
「はぁ〜い。」
ソフィアの方からパキッ、ボキッ、という音が聞こえた。
「はい!以後気をつけます!」
『あたりまえです!!次落ちたらもう知りませんから!』
その後は特になにもなく(暑くて倒れるかと思ったけど)無事に夜になった。
「さっむ!」
『だから昼間言ったじゃないですか。夜は氷点下になりますよって』
「う〜、は、は、…ぶえっくしゅ!」
『きたなっ!』
「ひどっ!」
『とりあえず、テント出しましたからさっさと入ってください』
これでやっと暖かくなると思った私の期待はあっけなく散った。
「テントの中も中でさっむ!」
『まぁ、布を鉄で支えてるだけですからね、しょうがないですよ』
「ソフィア〜〜〜なんとかしてぇ〜〜凍え死ぬ〜」
『しょうがないですね、炎よ』
ソフィアがそう唱えた瞬間、近くにあったランプのようなストーブのような物に火がついた。
「あったけー」
『よかったですね。あと、あしたにはピラミッドに着く予定ですから、なのであしたは朝が早いですからもう寝ましょう。』
「うん、ソフィア ありがとう」
『どういたしまして。』
次の日の朝も昼も「暑い」だとか「もう嫌だ」だとか「歩けない」などと言いながらなんとかピラミッドにたどり着いた
「ふっふっふっ 着いたぜ! 私はやった!ついにたどり着いたんだ!」
『ええ。そうですね』
「反応うすっ! てかこれピラミッドだよなあ でかすぎねえか」
『そうですね 私も正直ビックリしました』
そこには太陽に届きそうなくらいの高さのピラミッドが立ちはだかっていた
「はいムリ無理む〜りっ! てっぺん行く前に暑さに負け死ぬわ」
『別に てっぺん行くなんて言ってませんよ。だいたいフェイクですし 地下に在るんですよ』
「…って どっちみち疲れるじゃん 案外階段とか降りるほうが疲れんのに」
私達はピラミッドの中に入っていった。