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家族ゲーム  作者: 祐月
7/14

事情(3)

ゾロ目更新してみたかったので頑張りました。


まだ続いてます。。。

 話終えた悠は希が目を覚ます時にそばにいないとパニックを起こしてしまうからと、早々にリビングから引き上げてしまう。


「まさか添い寝ってことは無いよな?」

 後ろ姿を見送った誰もの頭の中にあった疑問を翼が代弁する。

「ハル兄って女嫌いじゃなかった?」

「いや、兄さんは恋愛対象が同性なだけで女嫌いではないよ。

 確かに自分を恋愛対象に見るような女性は嫌いみたいだが・・・」

 翼の最もな疑問に、兄弟でも一番悠と付き合いの長い玲が答える。一馬と玲に比べ、恋人や女の存在を感じさせる事がないという潤に、年少の残りの二人も同意するように頭をたてに動かす。その連携を見ていた一馬がこんな時ばかり動きが揃う物だと呆れながらも、あくまでも想像だと注釈をつけつつ解説をする。

「兄さんは自分の恋人関係をお前達に見せないようにしているんだと思うぞ。

 いくら家族全員が兄さんの性癖を認めていると言っても、お前達の保護者なのだから、一般的ではない同性同士の関係を匂わせないようにしているのだろう・・・

 実際、お前達は気づいていなかったみたいだが、兄さんがカミングアウトした時は大騒ぎだったぞ。まあ、俺と潤を引き取るためだったからその騒ぎと一緒だったからな。兄さんが家を出て引き取ると言ったら、奈緒さんの方が大騒ぎで、父親よりも兄さん子だった玲も翼も慎も兄さんと一緒にいられないのは嫌だと大騒ぎして、一緒に住む事になったんだ。

 お前達あんなに騒いでいたのに覚えていないのか?」


 一馬は10年前、両親が事故で亡くなり、それまで数か月に一度しか会わなかった兄が引き取ると言ってくれた時のことを思い出す。

 当時、悠が血のつながった兄弟とはいえ、別れた妻の子を引き取るという事に家長であり新堂兄弟の父、豊は奈緒さんを想って、難色を示していた。跡継ぎであることを理由に家を出て自分たちと暮らすということに大反対を受けた時、悠は自分がゲイで父の跡を継ぎ、後継を作る事は出来ないのだから跡継ぎには奈緒の息子である玲にすればよい、自分は会社を辞めても仕事の片手間に行っていた株で弟二人が成人するまで困らないだけの蓄えがあるのだから、出て行っても弟達を十分に育てられるから家を出て行くという悠を止めたのは奈緒であった。

 そして、跡継ぎ云々よりも息子のカミングアウトに固まってしまっていた実の父親よりも先に立ち直り、ましてや夫の前妻の子供を引き取る事に同意したのは継母である奈緒であった。

 実際、奈緒や豊と暮らしたのは彼らの仕事の都合で1年ほどであったが、その間、奈緒は実子と同じように一馬と潤をかわいがってくれた。そして10年経った今、一馬自身は悠を助けるために、豊が総帥を勤め、悠が専務として働く新堂グループへの就職を希望している。


「とにかく、兄さんの恋愛関係に首を突っ込むな。

 ただでさえデリケートな問題だが、お前達が関わるとややこしくなる。 」

 一馬は最後に弟達に釘を刺すことだけは忘れなかった。


 確かに端から見ると、同性愛者であることを除いても悠の希に対する接し方は非常に甘く、年下の恋人を甘やかす男、もしくは娘に過保護すぎる父親の様である。だが、希の事情や悠の弟達や渉に対する親バカ、兄バカ、過保護ぶりを知っていれば十分に理解できる範囲である。

 事実、悠は同性愛者だが継母、奈緒に甘いところがあり、基本的にはフェミニストである。悠曰く、家族、特に女性は守るべき存在なのだそうだ。特に、実母が親孝行する前に亡くなってしまったので、継母でありながら弟達と変わらず自分に接し、しかも自分には関係のない夫の前妻の子である悠の弟2人を引き取らせてくれた奈緒は実の母と言ってもいいくらいに大切なのだ。

 弟達も相談事は全て父よりも悠にしていたし、実際の保護者の役割も多忙な父よりも長兄が担っている事が多かった。

 そんな悠が希を弟達と同じように受け入れるのはある意味当然なのかもしれない。


「そういえば、ハル兄が長期で家を空けたのって、渉を引き取ってから初めてだったね。」

 翼が思い出したように言うと慎が頷き言葉を続ける。

「ハル兄、渉を引き取ってから本当に恋人の影が無いよ。

 その前は出張や仕事で遅くなる事も結構あったけど、その中には仕事じゃない恋人との時間もあったんじゃないかと今は思うんだ。ハル兄には僕たちの事だけじゃなくて、自分のことも大事にして欲しい。」

 これまで口に出して話した事は無かったが、それぞれ考えていたことでもあり、見目も良く地位もある独身の男が恋愛に向く事無く、どれほど自分たち家族を大事にしていたのか5人は改めて確認した。

「そうだな。渉が家に来るのとお前達の反抗期がちょうど合ったから・・・

 これからは少しは自分の時間もとれるように迷惑はかけられないよな?」

 年少組はそれぞれ思い当たる事があるらしく、玲の言葉に目をそらせた。

お家の事情でした。

さらっとカミングアウトしていますが、作中それに関した直接表現は予定しておりません。

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