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家族ゲーム  作者: 祐月
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事情(2)

引き続きシリアス。重いです。。。

 2ヶ月前、自身が専務を務める父親の会社、新堂コーポレーションのオフィスでいつも通りに仕事をしていた。悠の家族専用の携帯電話が鳴った。仕事中は緊急でない限り、皆、オフィスにかけてくるので話を中断し、電話に出た。相手は父で、継母の妹が亡くなったので、その娘の元へ至急向かってくれという内容であった。場所はアメリカのとある田舎町で、本当は自分たちが向かいたいが仕事で沖縄にいるので、今日の最終便には間に合わないから、成田に着くまでにすべて手配しておくので、東京にいる悠にまず行って欲しい。そして、翌日には自分たちも最も早い経路で向かうからと。

 ひとまず電話を切った悠は、秘書に至急、成田へ向かう車を回すように指示をし、返事を待たずに荷物を持つとオフィスを後にした。


 成田に向かう車の中、電話で詳しく話を聞いた。

 継母、奈緒の妹、志緒は17年前、突然アパートを引き払いいなくなった。その後、父、豊の調査で渡米し娘が生まれ希と名付けられたことがわかった。だが、その後の足取りは掴めず、17年が経ってしまった。が、数時間前、突然、志緒の長年の親友だというキャシーという女性から電話が入った。


 彼女は3日前から何度も電話していたが、一度も取り次いでもらえず、やっと今日秘書に繋いでもらえたのだと言いながら、その間に志緒が亡くなった事を告げた。最初は疑っていたが、いたずらや詐欺には思えないほどの口調で訴えるので、現地の調査会社に至急調べさせたところ、志緒は夫の心変わりを志緒のせいだと逆恨みした女に刺され、2日間の昏睡状態の後、日本時間の今朝ほど亡くなったのだという。


 とにかく一人きりになってしまった希の元へ急いで行かなくては・・・

 翌日の夜、希の元に着き、初対面にも関わらず希にべったりとくっつかれた状態でキャシーと話し、志緒が何かあったら新堂コーポレーションの会長で義兄である豊に連絡するようにと会社の連絡先を預かっていたのだと教えてくれた。彼女は志緒が出産のため通っていた病院の看護士で、希が生まれる前からの付き合いだと言う。志緒は病院に通っているときから父親はいないと話していて、キャシーは手助けをしたいとずっと心を砕き、自分は子供を望めないから希を自分の子供だと思っていると涙ながらに語ってくれた。


 翌日、到着した奈緒と豊に会ったキャシーは奈緒と志緒がそっくりだと言い、志緒の遺体との面会や葬儀の手配など、志緒の死にショックを受けている奈緒を気遣い相談に乗ってくれた。そして、葬儀の後、奈緒が希を引き取りたいと言うと、良かったと、希を幸せにしてほしいと強く願っていた。


 静かに悠の声に耳を傾けていた弟達は思ってもいなかった、叔母の死の原因に言葉を無くしていた。

「希は親がいないのは僕たちと同じだけど、お父さんが誰かということさえわからないんだ・・・

 僕は小さかったとはいえ、ちゃんと父さんのこと覚えているよ。それに、僕には兄さん達がずっといてくれた。希には何も無いんだね。」

 ぽつりと潤が呟き、瞳を翳らせた。悠は手を伸ばし潤の頭を小さい子をそうするようにクシャッと撫でた。


「そうだな。

 だが、今は俺たち兄弟がいる。

 希を大事にしてやろう?」

 長兄のいつも通り穏やかで優しさのあふれる雰囲気に弟達は知らずに入っていた体の力を抜いた。


「気をつけなくてはいけないのは、希は女を怖がる。

 詳しい事はわからないが、キャシーの話だと希は母親が女に刺されるところを目撃している様だ・・・だが、そのショックで犯人の顔を忘れ、知らない女を見ると犯人かと怯えパニックになってしまうことがある。突然フラッシュバックのようになるからいつ起こるかはわからない。

 だが、これまでの状況を見る限り、アジア人相手にパニックになったことは無い。それでも気をつけた方が安全だろう。」


 今日会った中では、一つも怯えなど見えず、ただ戸惑っているようにしか見えなかったが、それはこの家に女がいないからが理由だったのだ。だが、それは誰もが思いもかけない方向であったが。


「わかったよ。兄さん。

 希にとって女のいないこの家の環境は最適なんだね。それに、これだけ兄弟がいれば誰かしら希のそばにいて守ってやる事ができる。」

 話の裏に隠れていた本音を一馬が引き出し、弟達に本当の役割を指し示す。それぞれに真剣な顔で頷き、心の中で母親以外で唯一の家族内の女になる希を改めて守っていくことを誓った。


まだ続くかも・・・

早く楽しい方向に戻れる様がんばります。

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