事情(1)
シリアスモードに入ります。
渉の希望通りに夕食を終えた新堂家の面々は、それぞれ思い思いにくつろいでいた。今日の主役であった希は、渉のたっての希望で悠と一緒に渉を寝かしつける為に、渉の部屋へ行っていて席をはずしていた。
「希ってかわいいな〜
俺、小さくてかわいい妹が出来たの嬉しいよ。
会った事はないけど、志緒叔母さんが亡くなったのは残念。奈緒さんもずっと心配してたし。」
ラグにだらしなく寝そべって、見るとも無しにテレビに向かっていた翼がポツリともらす。慎も肯定を表し、玲もしっかりと頷き言った。
「そうだな。
奈緒さんずっと俺たちを志緒さんに会わせたいって言ってたし・・・」
「でも、きっと希と叔母さんってそっくりなんじゃないかな?
俺も奈緒さんに良く似ているって言われるし。
奈緒さんからの電話で突然ハル兄がアメリカに行って、女の子を連れて帰って来るって言ったときはびっくりしたけど、俺より小さくてかわいいし、守ってやらなきゃな。」
兄弟達は翼より小さいことが一番重要なのだろうとこっそりと思ったが、懸命にも弟達はそれを口にすることは無かった。
潤は翼より小さい事は無かったし、慎にしても小学校の途中ですでに翼を追い越していたので、翼曰く弟より体格が良いのが兄の尊厳だったが、翼においてのみそれは失われてすでに5年近く経っていた。他の兄弟は年長者から順に並べるにも関わらず・・・
小さな音をたててリビングのドアが開き、いつもならば後10分は下りて来ない悠が姿を見せた。もちろん後に続いて現れると思っていた希が現れない事に、弟達は首を傾げた。
「希は渉より先に寝てしまったから、渉を寝かしつけてからベッドに入れて来た。」
「疲れてるよな。時差もあるだろうし、初対面だから気を張っていたんだろうし。」
「そうだな。
希にとって男と一緒に生活するのは初めての事だから、余計に気を張っていたんだろう。」
「ハル兄、初めてって希の父親は希がうんと小さいうちにいなくなったの?」
「いいや、希には父親はいない。
奈緒さんが希が生まれた時に見た戸籍にも現在のそれにも父親の名前は無い。
希が父親と呼べる相手は養子縁組した父さんしかいない。」
それぞれに、考えを巡らせていた弟達に突然、思ってもいなかったことが知らされた。父親がいないので新堂家に引き取られたのだということは皆予想していたようだが、戸籍上にも父親がいないという事は誰も想像していなかった。
「じゃあ、希は僕らと同じで両親ともにいないってこと?」
それまで静かに座っていた潤が口を開く。そうだという答えに静まり返った部屋の中、悠は話しだした。
込み入った話が・・・
さらに大変な事に?
上手く全てをわかりやすく書けると良いのですが・・・




