プロローグ
初めての小説です。
分類は恋愛R15となっていますが、そこにたどりつけたらいいなという希望のもとの選択です。
わかりにくい表現など多々出て来ると思いますが、ご容赦くださいませ。
少しでも楽しんで頂けるとうれしく思います。
冷たい雨が降る。
大地を濡らし、深い哀しみを包むように・・・
雨の中、少女は一人立ち尽くしていた。
何か縋るものを求めるように空に手を伸ばして。
ふいに傘が差し掛けられる。
少女は、突然視界に現れた傘に驚き振り向く。
傘を持っているのは背の高い男で、明るい色の髪を後ろに自然に流し、大きな手が少女の濡れた頬に触れ、頬に張り付いた髪をかきあげる。
少女は頬に触れている男の手に、自分の手を重ね瞬きを繰り返す。
「お父さん?」
少女のつぶやくような声に男は頬を優しく撫でながら首を振る。
とたんに落胆の色が映った瞳から目をそらさず言葉を続ける。
「私は新堂悠。
お前の従兄だ。」
その言葉に、小さく首を傾げた希に説明するように話す。
「お前の母、志緒さんは私の継母、奈緒の妹だ。
志緒さんから奈緒さんのことを聞いた事はないかい?」
「母さんのお姉さん?」
「そうだ。希の伯母にあたる。」
口の中で伯母さんと繰り返し、やっと理解した希の焦点が合うのを見て、悠は希を建物へと促す。
「さあ、中に入ろう。早く体を温めないと風邪をひいてしまう。
継母は明日にはこちらに着くから、そうしたら納得できるよ。二人はとても良く似ているから。」
希は優しく微笑んで促す悠の手に、甘えるように頬を寄せた。
悠はその仕草に希の冷えた体をそっと引き寄せ包み込んだ。
希は悠にすがりつくように腕を回した。
冷たい雨は一層強くなり、二人の上に降り注いでいた。




