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家族ゲーム  作者: 祐月
12/14

心配

久しぶりの更新です。

まだ読んでいてくださる人がいれば嬉しいです。

 家に着き、ソファに腰掛ける自分の腕の中で事の次第を話しているうちに寝てしまった希の寝顔に時々口づけを落としつつ、悠は書類に目を通す。

 希を連れ出した翼は悠にいつ叱られるかと、ビクビクしながらキッチンに立っている。それとは対照的に、一馬は悠のすぐそばでソファのいつもの席に座り、新聞に目を通している。


「一馬、希のことどう思う?」

 書類をめくっていた手を止めた悠に、一馬も新聞から目を離す。

「今日の様子ですか?」

 悠の隣で兄と同じ様に時折視線を希に向けながら本を読んでいる玲を問いかける様にみると、、玲も視線を本から上げ、話したと返すが、無言で先を促す悠に応えて一馬は続けた。

「現状維持だけでは無く、前へ進むことに少し意識が向かい始めたようです。

 父親のことを知りたいと言ったことは、玲から聞いたと思いますが、今日はこれまで見ようともしていなかった母親の物を見ても、嬉しそうに皆に話していましたよ。

 買い物中も翼がずっと離れずについていたからか、落ち着いていました。見知らぬ人が近づいても、話しかけてもパニックに陥ることもありませんでした。」

「もう少し様子を見て決めたいが、できれば希を学校に通わせ、普通の生活ができるようにしてやりたい。幸い、玲以下全員まだ鷹之森に通っていることだし、私も理事長として融通が利かせられる。

 もともと男子校で今年から女生徒をいれたばかりで人数も少ないし、教員も女性は年配ばかりだから、少しずつ希に慣れさせるためにはちょうど良い環境だろう。」

 どう思う?と言う様に自分に目を向けた兄に、驚きながら本を閉じる。

「学校に行くのは良いことだと思います。

 一馬の言う様に希も少し落ち着いてきていますし、父親のことに興味を持ったのは寂しさを紛らわせる為かもしれませんが、私達に聞いてきたのは家族だと認識されているのだと実感しました。」

 玲の言葉に頷き、玲に手元にあった書類を渡す。それに書かれた内容に、玲は目を見開き、少し離れた席に座る一馬にも見せる。

「玲、新学期がはじまってあまり時間が経たない方がよいだろうから、来週から通わせるから準備をしておきなさい。」

 わかりましたとこたえる弟に、満足そうに頷き、腕の中の希に目を移す。

 優しく希の頬にかかる髪を撫で付け、愛おしそうに額に口づけを落とす兄に複雑な視線を向ける玲に、立ち上がった一馬が頭を撫でる。顔をしかめ子ども扱いされたことに抗議の視線を送るが、一馬は気にすること無くキッチンへ向かい、いつ怒られるかと聞き耳を立てている翼の手伝いをする。


 不満そうに一馬をにらんだ玲を目顔だけで近くに呼ぶと、悠は先ほど一馬がしたのと同じ様に玲の頭を撫でる。

 だが今度は少し恥ずかしそうにおとなしくしている。


「ずるい!

 なんでアキ兄が頭撫でられているの?」

 すごい勢いで後ろから飛びつかれた衝撃に揺れた希はむずかる様に体を揺らすと、不安そうに目を瞬くと悠の顔を認めすがりつく。

 慣れた様子で希を抱き直し、耳元に英語で囁きながら、何度もキスをする。

 悠の言葉に答える様に首を何度も振りながら、その度に悠の体に回した手に力が入るのが見て取れる。


 あまりの親密さに、弟達すら入り込めない空気に飛びついてしまった翼がどうしようかと固まっているのを後ろからやってきた一馬が引き寄せる。

 自分を見上げ泣きそうに顔を歪めた翼を抱き込むと、同じ様に慰める。

 涙はこらえた翼だったが、顔をしかめ、辛そうに悠に抱きつく希をみつめている。その顔には自分のつまらない小さな嫉妬心から、希を泣かせてしまったという後悔がありありと描かれていた。

キャラが暴走しはじめました。。。

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