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家族ゲーム  作者: 祐月
11/14

小休憩

間があきましたが、やっと1話分書けました。

 結局、これと言った手がかりは見つからないまま、半分程荷解きをしたところで夕食を作る時間となり、本日の夕食当番の翼の意向で一馬の運転で近くのスーパーまで買い物に出た。


 新堂家に入ってから、対人恐怖症で外に出るのを控えていて、セナの散歩くらいしか外出していない希も散歩中に誰かと会ってもパニックになっていないのだから、試しに行ってみようと翼が言ったのをきっかけに、反対する慎と連れ出したい翼の間で兄弟喧嘩が起こったが、年長の一馬と玲の賛成により、運転手の一馬と3人で買い物となったのだ。


 大型スーパーでカートを押して歩く一馬の後を希と手を繋いだ翼が歩きながら、夕食の材料をかごに次々に入れて行く。

 希は日本に戻ってからスーパーで買い物をしたことが無いらしく、きょろきょろと辺りを見回しては控えめに翼の手を引き、いろいろと質問していた。その姿は仲の良い兄弟そのもので、近くにいたおばあさんに仲の良い兄弟でいいと言われ、希は恥ずかしそうに、翼は得意気に笑みを浮かべていた。


 翼が少々強引に連れ出した感はあったが、想像していたよりも希が見知らぬ女性を恐れることなく動き回れたことに連れ出したのは正解だったと、一馬は思った。


「なんかちょっと食べよう?

 俺、お腹空いちゃった。」

「帰ったらご飯作るんじゃないの?」

 レジに並んでいると、フードコーナーを指差して言う翼に夕食が近いと希が暗に示す。

「ちょっとだけだから大丈夫だよ。

 そうだ、ソフトクリームならいいだろ?

 甘い物は別腹って言うし・・・」

 翼はウィンクをすると苦笑する一馬を列に残し、フードコーナーへと向かう。


 フードコーナーへ向かった2人は仲良く一つのソフトクリームを食べながら、買った品物をつめているいる一馬の元へ戻ってきた。

「翼、食べるのもいいが、本当は買い物も含めお前の当番なんだから、少しは手伝ったらどうだ?」

 一馬の言葉を受けて、翼は手にしていたソフトクリームを希に持たせると、一馬と自分の間に誘導すると車を降りてから初めて希の手を放し、袋詰めを手伝い始めた。

 品物をつめる2人の手元を見ていた希は、自分の手元を見ると一馬に向かって食べる?と訊いた。それに微笑みを浮かべ答えた一馬は少し屈み、一口口にする。

 それを見て自分にもと言う翼の口元に手を差し出し、その後また一馬の口元にと繰り返す希の愛らしい仕草に、男2人は笑みを深めた。


 品物を詰め終わった一馬は空いている方の手を希の腰に回し、かごを片付けている翼を置いて2人で歩き出す。

「カズ兄ずるい!

 希は俺の!」

 あわてて追ってきた翼が希の手を握る。

「希はお前のものじゃないぞ。

 俺の妹でもあるんだから・・・

 それに買い物の間ずっと手を繋いでいたんだ、少しぐらい俺に譲れ。」

 希は自分を挟んでしょうもない言い合いをしている2人の顔を見比べながら、それぞれの口元に未だ自分の手の中にあるソフトクリームを差し出す。すると、2人とも言い合いを続けながらも、希の手に顔を寄せおとなしく希の手からソフトクリームを食べる。

 その様子をしばらく観察していた希はどんどん無くなる、自分の手の中のソフトクリームに小さく笑い声をもらす。

 それに気づいた2人も笑い、希の愛らしい笑顔に他愛のない戯れあいを続けた。


 父親に通じる手がかりが全く見つからず少し沈み気味だった希には、食材の買い出しといえども、外出はよい気分転換になったようだった。想像していたよりも対人恐怖症の発作起こる状況が少なそうなことが分かったのは収穫であった。


 それに、兄弟の戯れあいは希には初めての経験で、2人が希を挟んだまま戯れあうことによって、希は自然に一馬に寄り添い、それまで翼に掴まれていただけの手が翼の手を握り返していた。

 希のわずかな変化に、2人はよりいっそう笑みを深めた。


「希!」

 突然の呼び声に顔を上げると、スーパーには不似合いなスーツ姿の悠が出入り口に立っていた。

 その姿を認めた希は、まるでドラマのワンシーンのように2人を置き去りにして悠の胸に飛び込んでいった。


 傍目には恐ろしくスーパーに不似合いなラブシーンを演じている長兄にあきれ、また、それまで自分たちの腕の中にいた希を一言でさらっていった長兄に少なからず嫉妬し、弟2人は抱き合っている2人に近づいた。

 どうやら仕事が早く片付いたので家に電話したら、希が買い物に出かけたと聞いて心配でやってきたらしい。

 どう見ても熱々な恋人同士にしか見えない包容をかわしている2人を促し、まずは出入り口を離れ車へ向かう。


 自分たち家族のスキンシップの多さは、他の家よりも多いのはよく分かっているが、元々スキンシップが多い国で育った希にとっては人目を気にすることは無いようだ。


あまり話のスジとは関係ありません。。。

タイトル通り、このお話自体が本編からの小休憩のようなものになりました。


そっくりな希と翼が1つのものを一緒に食べているところが書きたかったんです。。。

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