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家族ゲーム  作者: 祐月
10/14

作戦会議?

 翼によって緊急召集をかけられた兄弟は、春休みで家にいる玲以下の年少組がいつも通りにリビングに集まった。

「とういうわけで、希の父親探しをしよう!」

「何が『とうわけで』だ!」

 と、一応潤が言ってみるが、調子に乗った翼の勢いは止まる事無く、その隣で希は不安げに部屋を見回し口を開いた。

「ごめんなさい。私がお父さんに会ってみたいって言ったから・・・」

 希のすまなさそうな様子にあわてて潤がそうじゃないと弁解し、翼の言い方に問題があるんだと力説する。

「そんなことよりも翼、何か手がかりはあるのか?」

 年長者として誰もが疑問に思っていた事を口にする玲に、翼は堂々とこれから探せばいいと言いきる。玲は容赦なく追求する。

「で?

 どう探すんだ?」

「それを考える為の作戦会議じゃん。」

 その答えを予想していた全員がふうっと深いため息をつく。

「なんでそこでため息!」

 ぎゃあぎゃあ騒ぐ翼を制して座らせると、玲がまとめるように話しだす。

「まず、叔母さんのことを奈緒さんに聞こう。

 それと希、お母さんから何か聞いていないのかい?」

 首を振り、少し淋しそうにうつむいた希を翼が抱き寄せる。

 沈黙が部屋に広がる。

「ドラマだとよく日記に書いてあるよな。」

「それだ!」

 なんとなくつぶやいた慎に、翼は勢い込んで賛成する。

「希、叔母さんの日記は?」

「わからないけど、トランクルームにあるボックスの中にあるかも。」

 翼の勢いに押された希は少し考えてから、悠が手配して運んでくれた荷物があることを思い出す。自分の荷物は自分でも整理したが、母の荷物は悠が気を使って、気持ちが落ち着いてから整理すればいいからと、できるだけ送ってくれたのだった。

 実際には1年も住んでいない部屋には荷物は少なく、家具もほとんど作り付けの部屋だったので、持ち出すものは少なかった。

「悠が家にあった母のものを全部送ってくれたはずだから、その中にあるかもしれない。」


 自分の荷物は自分でも少し整理して持ってきたが、母の荷物は悠が気を使って、気持ちが落ち着いてから整理すればいいからと、業者を手配しいつでも見られるようにとトランクルームに全て運んでくれたのだった。

 実際には母と二人で1年も住んでいない部屋に荷物は少なく、家具もほとんど作り付けの部屋だったので、持ち出すものは少なかった。

 荷物の少なさを悠は心配したが、希がアメリカから帰国する時にほとんどを処分してきたため、長く持っているものはあまり多く無いことを説明すると納得し、家具以外の全てをとっておけるように手配してくれた。

 希が悠の心遣いを思い出している間に兄弟の中で方向性は決まったらしく、翼が高らかに宣言する。


「よーし。

じゃあ、奈緒さんにはハル兄が帰ってきてから連絡してもらって、俺たちはまず希とトランクルームで荷物を見てみよう。」

 勢い良く立ち上がった翼を制して、一馬が本当に荷物を開けても良いのか希に確認する。すると、少しの間を置いて希がコックリと頷き顔を上げる。

 一馬が優しく微笑んで立ち上がると手を差し出し、希がそれを取り立ち上がると、皆それに倣い動き出す。一馬が希の手を引き、皆を先導する様にリビングを後にした。

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