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X Brave  作者: 八雲紅姫
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Brave 8

調査部の必死の調査にも拘らずデストもヴァシリーの足取りも見つからなかった


見つかったのはデストによって切断されたヴァシリーの両腕程度だ


報告を受けてまたロザリアが怒りを爆発させる物だと思っていたジュリアだが


そんな事より敵であるデストに助けられたと言う不甲斐なさの方が今は大事みたいだ


二度とこんな恥を掻かない様にロザリアは早朝から深夜にかけ


物凄いトレーニングを積む


素振り・腕立て伏せ・腹筋・走りこみ・スクワット


他にも思いつく限りのトレーニングを詰め込み訓練を積み重ねる


休憩時間もあるが休憩時間は街の巨大図書館で新技の研究をする


デスト対策で作った2つの奥の手


雷電放流線、八岐ノ雷


決め手に放った物のヴァシリーを完全に倒す事ができなかった


ヴァシリーにすら致命傷を与えられなかった技がデストに通用する筈が無い


その事を思い知らされたロザリアは新たな新技


しかも確実に一撃死を狙えるほどの高威力かつ広範囲の技を研究中


傷を治す数日間のうち考え付いた1つの大技がある


しかし


「どう考えても威力不足じゃし発動までに時間が掛かる…」


ロザリアが考え付いた技は雷葬鬼刃に限界まで雷のエネルギーを充電


更にその上に強力な雷を重ね放つだけの単純な攻撃


単純そうに見えて放たれれば光をも超える速さで放たれる為回避は不可能


回避しようにも雷電放流線で捕らえて置けば問題ない


エネルギーを最大にして放てば範囲を絞る事も広げる事も自由自在


勿論威力はロザリアの今持つどの技よりも強力であるが


それ程の雷を作り出すにはそれ同様のエネルギーが必要である


雷鬼とロザリア自身がフルパワーでこの技を発動したとして


理想どおりの威力を発動できる可能性は10%あれば良い方だ


逆にエネルギーを全て使い果たす為最悪死に至る危険性もある


まさに諸刃の刃


「うむ…うむむむむむむ…」


しかしこの技以外に今ヴァシリーやデストのような強力な敵に勝てる手段は無い


とりあえず最初は最低出力で実験をする事にしたロザリア


支部のに帰るなり特別頑丈なトレーニングルームで練習台をセットし実験を開始する


「雷帝鬼装能力発動!

 『雷電放流線』」


無数の雷の線が出現し練習台を縛り上げる


八岐ノ雷ほどではないが既に物凄い雷が練習台に流れ込んでいるが


練習台はビクともしない


実験前に雷を限界まで溜め込んだ雷葬鬼刃を取り出し


雷鬼とロザリアの全力の半分程度の雷を叩き込み雷葬鬼刃をフルスイングさせる


「雷帝一閃!

 『雷帝葬送翔覇らいていそうそうしょうは』」


雷葬鬼刃から放たれた強力な斬撃が練習台を分子レベルまで破壊する


一瞬「これでもいける」と思ったが次の瞬間異変に気づく


「な!?何じゃこれは!?」


それは余裕を見て放った筈の攻撃だったが自分のエネルギーが底を付いているのに気づく


いつの間にか武神降臨も解けてしまい立つ事すら出来ない状況だ


「ま…まさか今の攻撃に全てのエネルギーを持っていかれたの…か…」


体力も根こそぎ持っていかれたのでロザリアはその場に倒れ気絶する


数時間後


「ロザリアさん?そろそろ昼食を…!?」


気絶しているロザリアを見つけ急いで呼吸の確認をする


「良かった…ただ気絶しているだけでしたか…」


一安心して辺りを見ると信じられない光景が目に入る


それは頑丈で有名な最新鋭の練習台の成れの果てと同じく頑丈に作られた


トレーニングルームの壁が斬撃の後を残し外まで貫通している


最新鋭のバリアをも超える強度を誇るX Brave支部の壁を破壊ではなく


貫通している


壁の周りを見ると塵が残っている


分子レベルまで破壊された壁は塵に変わったようだ


それ程の高出力の攻撃を放った事をペルセフォネは理解し驚いた


ふとロザリアの事を思い出しすぐに医務室に連れて行く


「ん…ここは…

 ああ…あの攻撃を放ち気絶してしまったのか」


激しい疲労に体が言う事を聞かない


目線を左右に向けると物凄い目つきでにらみつけている


ジュリアとペルセフォネの2人が立っていた


「はぁ~…それで今度は何をやったの?

 気絶する程の事をしたんでしょ?」


「すまない…

 妾もまさか気絶するとは思わなかったんじゃ」


「とりあえずどんな技か教えて頂けませんか?」


渋々ロザリアは新技『雷帝葬送翔覇』の全容を書いたスケッチを2人に差し出す


スケッチを見た2人は口をぽかーんとあけて絶句だった


それはこの技のあまりの危険性にだ


「ロザ…確かにこれは凄い技だけど

 こんなのは技とは呼べないよ

 絶対に完成する事のない諸刃の剣だよ?」


飽きれた口調でロザリアにスケッチブックを返す


「分かっている…

 じゃがこれ位の覚悟がなければデスト達には届かんのじゃ!」


その言葉に流石のジュリアも堪忍袋の緒が切れた


「ロザ!君の言っているのは覚悟じゃなくてただの自己満足だよ!?

 デストを倒したいからこんな無茶な物を開発して勝てれば良いな~って事だよ!?」


「御主に何が分かる!?敵であるデストに助けられ恥を掻いた妾の気持ちが!」


「あぁ~分かりたくもないね!

 そもそも一度言っておこうと思ったんだけど

 君のその余計なプライドにはうんざりしてたんだ!」


「貴様言わせておけば!!!」


2人の間に激しい火花が飛び散る


ペルセフォネが慌てて2人を止めようとすると医務室の窓の方から不吉な笑い声が聞こえる


「あらあら♪可愛い娘がそんな怒鳴り声を上げて喧嘩しちゃ駄目よ~ん♪」


何とも蛇に頬を舐められるかのようにぞっとする口調で女性は医務室に入る


「あ…貴女誰ですか!?

 支部への進入許可証は持っているのですか!?」


ペルセフォネが女性の前に立ち激しく敵意をぶつけると女性はうっとりした表情を浮かべる


「あぁ~ん♪良いわ♪

 可愛い娘に怒鳴りつけられるのも♪」


流石に耐え切れないのかペルセフォネはその女性から激しく距離を置く


「もう!逃げなくても良いのに♪

 自己紹介が遅れたわね

 私の名前はメイガス・モルガーナよ♪

 よ・ろ・し・く♪」


真っ黒なコートで体を隠しているが前屈みになり3人を狙い打つように


投げキッスをし自己紹介を終える


今まで緊迫した雰囲気だったが一瞬にして打ち砕かれ


物凄く黒い雰囲気へと医務室は包まれて行くのであった

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