Brave 24
この話を最後にX Brave第一部を終了とさせて頂きます
次回投稿より第二部となります
読んで頂いている方は本当にありがとうございます
初心者以下のかなり自己満足な作品ではありますが
ここまでかけて嬉しいです
もし宜しければ第二部も頑張りますので宜しくお願いします
コスモギアスになったメイガスに1人で立ち向かうジュリア
あまりに無謀と思われていたがメイガスは押されている
「くぅぅぅぅ!!!」
何故か分からないがジュリアの刃は確かにメイガスに届いている
斬り付けられても瞬時に回復すれば良いだけだが
メイガス自身が攻撃する暇が無い
「何故星は私を守らない!」
「見放されたんじゃないの!?」
再びジュリアの鋭い斬撃がメイガスの体を斬り付ける
「あの小娘……中々やるじゃねーか」
先に意識を取り戻したデストがジュリアの事を褒める
それに対してまるで自分の事かのようにペルセフォネは自慢する
「それは勿論ですよ
今でこそ戦場を離れてはいますが
ジュリアさんの強さは私やロザリアさんとは比べ物になりません
今のロザリアさんでもスピードについていけるのがやっとでしょうね」
言われて見ればジュリアの動きはロザリアのとは比べ物にならないほど速い
それに加えて足音がまったくしない為どこから攻撃が来るかが読めない
「さっさと蹴りをつけさせてもらうよ!
二刀速撃『音速の斬撃』」
燕刃と燕翼による超高速斬撃のラッシュに打つ術が無いメイガス
「くぅぅぅ!」
今回も星の意思はメイガスを守る事はなかった
「何故……何故なのよ!
コスモギアスである私を何故守らない!」
「あまりにも哀れだから教えてあげようか?
それは私も星の力を使っているからだよ
それが私個人が有する魔眼『星との同調』」
星との同調とはジュリアが個人で保有するこの星の力を借りる事の出来る能力
コスモギアスであるメイガスを守る星の意思を同じ星の力で相殺している為
攻撃がメイガス自身に届いてしまうのだった
「こ……これは流石に分が悪いわね!」
空間に穴をあけてメイガスが逃げようとする
「逃がすと思っているのか!」
地面を一気に蹴りジュリアがメイガスに斬りかかろうとすると
空間から真っ黒な得体の知れない物体がジュリアの攻撃をジュリアごと跳ね返す
「な!?」
地面スレスレで片翼の翼を大きく振る事で衝撃波を作り出し地面への衝突を逃れた
「まだ完全にコスモギアスの力をコントロール出来ない以上
今ここで貴女とやりあるのは分が悪いから逃げるわ♪
でも覚えておいて!私は1年もしない内に完全にこの力を使いこなせる!
そうなったら最後よ~ん♪
このくだらない世界全てに悲劇を与えてあげるわ!」
そう言い残しメイガスは空間の中に消えていった
「はぁ~……」
完全にメイガスの気配が消えるとジュリアは武神降臨を解きその場にしゃがみ込む
息もかなり上がっている
「ジュリアさん無茶し過ぎですよ
星との同調はあなた自身かなり削ってしまうんですよ?」
デストの治療を済ませペルセフォネはすぐにジュリアの魔眼に対して術式で封印を施す
ジュリアの魔眼星との同調は常にスイッチが入った状態で自分の意思では止められない
だから普段はペルセフォネの特別な術式で封印をしている
星の強力な力を引き出すことが出来るが体の限界を超えている為
使用すればジュリアの命が確実に減らされる諸刃の能力なのだった
「まあこれくらいやらないとアレには対抗できそうに無かったからね
と言ってもそれも今の段階ではの話
本当に力をコントロールしてきたら私でも一撃で沈められるね」
悔しそうに奥歯を噛み締めるジュリア
「とりあえず2人を支部に運ぼう
応急処置をしたとは言え危険な状態なのは違わないからね」
「そうですね」
ここの調査を他の隊員とマサイアスに任せジュリアとペルセフォネは2人を支部に連れ帰った
それから3週間後
「ロザが目を覚ましてから行けば良いのに」
X Brave支部の入り口でデストを見送るジュリア
「あいつに見送られたら行くに行けなくなりそうでな
それから手配書の削除とか色々悪かったな」
「まあこっちも色々やっちゃったからそれのお詫びだけどね」
「そうか
それじゃあそろそろ俺は行くぞ」
ジュリアと握手を交わしデストはX Brave支部を後にする
「さて!私はロザの看病しなきゃ!」
意気込んでロザリアの病室に入るとそこにロザリアの姿はなかった
「ふぅ~まったくお約束って感じだね」
ちょっと嬉しそうで飽きれた表情で窓からロザリアの姿を見送る
「さてさてまずはどこから探すかね」
X Braveの入り口付近で地図を長めているデストが後ろから蹴り飛ばされる
「ぐはー!何しやがる!」
振り向くとそこに立っていたのはロザリアだった
「まったく……共に戦った戦友に対し分かれも言わぬとはこの無礼ものめ」
「ロザリア」
暫く沈黙する二人
何を言って良いのか分からない様子
「また会えるのか?」
最初に口を開いたのはロザリアだった
「それは分からないな」
そっけなく返事をするデスト
ロザリアは自分の髪留めを外すとデストに髪留めを差し出す
「これは?」
「今は無き母上から授かった髪留めじゃ
何ともまあ古い物が好きでお守りと言ったかのう
持っているだけで災いを防いでくれるそうじゃ」
馬鹿馬鹿しいと言った表情で説明をし一呼吸置く
「じゃが御主に持って行ってもらいたい
妾はこれからリージュドット家に戻り今回の事を報告しなければならない
じゃから付いて行けぬ
それを妾だと思って御主に持っていって欲しいのじゃ
戦友としてな」
「それじゃあ俺も何か渡しておかないとな」
何を渡そうか迷ったが自分の腕に巻きつけているチェーンをロザリアに渡す
「これは何じゃ?」
「どこだったか観光に行った時に買った土産だ
それ位しか俺には無くてな」
「まったくロマンチックに欠片も無い奴じゃのう……」
物凄く期待していたのを折られて愚痴るロザリア
「仕方ねーだ!俺はこう言う人間なんだよ!」
暫くにらみ合う二人だったが次第に馬鹿らしくなったのか大笑いをする
「さて!それじゃあまたな」
「ああ!いつかまた共に剣を交えようぞ
戦友」
硬く握手を交わしデストとロザリアは己が進むべき道へと歩き出したのであった