Brave 17
マサイアスの治療を終えたロザリアたちは奥へと進む
すると先程デストとメイガスが戦闘をしていた広間へと辿り着く
壁や天井に抉られたような傷が数々と残されている
しかしメイガスの姿は無いが誰か人が倒れていたような血痕が残っている
「まだ新しいのう」
血痕を触って時間を確かめる
更に回りに流れている殺気を感じ取りこの先が危険だと感じ取る
「これから先は妾だけが進もう」
「な!何を言っているんですか!?」
「流石に…それは得策では無いでしょう…」
マサイアスの肩をそっと触るとマサイアスは激痛で地面に倒れる
「マサイアスさん!」
倒れたマサイアスを急いで肩を貸すペルセフォネ
「やはり傷は塞がってもダメージは蓄積している
これ以上先に行くのであればマサイアス以外の妾たちも聞けんじゃ」
ペルセフォネもその事は気づいているし本人も気づいている
「仕方ありませんね…
申し訳ありませんが私たちはこの辺で下がりましょう」
「しかし!ロザリアさんだけでは不安です…」
心配そうにしているペルセフォネの背中を優しく撫でるマサイアス
「信じましょう
彼女は強い」
「はい…」
「ではペルよマサイアスを頼む」
そう言い残しロザリアは遺跡の奥へと進んでいく
途中マサイアスを襲ったコスモギアスの一部と見られる者と戦闘を繰り返す
何対倒したかわからないが100以上を倒したのは確かだ
流石のロザリアも息が上がり始める
更に奥に進むとやっと出口が見えてきた
出口が見えてくると同時にコスモギアスの一部も一気に出てきてロザリアを襲う
「邪魔じゃー!!!
『雷帝翔雷・雷咆』」
その場で止まり両手を前に出すと
雷の咆哮が目の前に居る全てのコスモギアスの一部を吹き飛ばす
黒漕げになった死骸を乗り越え出口を抜けるとそこに広がるのは
大きな黒い柱に囲まれた大聖堂
中心には何かを封印するしたに巨大な宝石で出来た祠が祭られている
「これが…コスモギアスの封印された祠か…」
「そのとおりだ」
後ろから聞きなれた声が聞こえる
それが誰かはロザリアには一瞬で分かった
「デスト・コンティアム!!!」
腕組みをしロザリアの後ろに立っているデストに向かいロザリアは先制攻撃を仕掛ける
「待て戦う意思は!」
デストの言葉を無視しロザリアは攻撃の手を止めない
「聞く耳持たぬ!数々の屈辱今ここでかえさせてもらおう!!!」
大剣をフルスイングさせデストを吹き飛ばす
ロザリアも後退し武神降臨する
「これが貴様を倒す為に編み出した我究極の雷撃!
受けるがいい!!!」
室内であるはずなのに辺りは不気味なまでに黒い雲に覆われ
その雲の中では稲妻が走る
「まったく…戦う意思は無いというのに!」
デストも武神降臨をし修羅の大剣を構える
「遥か彼方よりきせし古の雷
全ての者を焼き尽くし塵に
今我ロザリアの名の下にその姿を我前に示せ!」
詠唱と共に雲の中を走る稲妻が降り注ぎデストの動きを制限し
幾つかの稲妻は雷葬鬼刃に流れ込む
眩いほどの稲妻を纏った雷葬鬼刃をデスト目掛け振り下ろす
「『古雷斬流波』」
雷葬鬼刃より放たれた雷はデストに向かい一直線に向かう
「その程度の雷で俺をどうにかできるとでも?」
修羅の大剣で雷を弾き飛ばす
弾かれた雷は部屋に充満した黒い雲の中を通り再びデストを襲う
「ちぃ!!!」
今度は地面に叩き落そうと修羅の大剣で雷を叩きつけようとするが
雷の速度に威力は最初に放たれた雷とは別物のように重く速く強い物に変わっていた
「なぁぁぁぁ!!!」
あまりの重さに弾かれたのはデストだった
雷は再び雲の中に姿を消した
「これが妾の最強の雷『古雷斬流波』
周りに雷雲を発生させその雷を剣に乗せて放つだけの技じゃが
ご覧の通りその雷は再び雷雲に入る事により威力や速度を上げる事ができ
妾の思い通りの場所から攻撃を仕掛ける事が出来る
膨大なエネルギーを使用するので一発限りの技じゃが貴様を倒すには惜しくない!」
最強の技と言うだけの事はありその技の完成度に威力はまさに最強
加えて周りは雷雲で逃げ場はなく
受けた物にしか分からないが武器でガードしても武器から微量の雷が流れ込み
体を少しずつ痺れさせ動きを鈍くする
しかし
「まあここまで辿り着いたのは褒めてやるがどうやらここまでらしいな」
修羅の大剣のしまうと手を前に出し呪文を唱える
「魔神を滅ぼす魔法の矢!
『プラパ』」
独鈷のような形をした矢を雲の中に投げ込むと矢が周りの雲を吸収し消失させる
「ば…馬鹿な!」
自分の最大の攻撃をたった1本の矢で破壊されてしまい
ロザリアは肉体的にも精神的にも崩れ落ちてしまった