Brave 15
修羅同様赤いラインの入った漆黒の甲冑に身を包むデスト
「一気に決めるぞ修羅…」
「分かっているわ
修羅の大剣!」
修羅が叫ぶと時空を切り裂きゴツゴツした大剣がデストの手に現れ
腰には鞘が現れる
大剣を鞘に収め居合いの構えを取る
「『修羅一閃奥義:修羅道』」
勢い良く鞘から抜き出された大剣からまるで地獄への道を作るかの如く
斬撃が一直線に祭壇を襲うが何者かに阻まれてしまう
「まあ多分お前だと思っていたよ
メイガス・モルガーナ」
デストの強力な斬撃を防いだのはついこの前顔を合わせたばかりのメイガスだった
「あら~気づいていたの?
酷い男なのね♪」
何事も無いような素振りでカレワレの杖についた汚れを払い取る
「まったく俺の奥義を何事も無く払い除けるとはな」
大剣では分が悪いと判断し修羅の双剣に装備を変え構えを取る
「ん~♪スリルが合って楽しいわ♪
貴方とは一度本気の殺し合いをしたかったのよ~」
ニタニタ不吉な笑みを浮かべカレワレの杖を前に突き出し
「武神降臨~♪」
杖の先端から黒々い煙が立ち上りメイガスの体を包み込む
着ているコートに若干宝石のようなアクセサリーがついただけで
特に変わりようは無い
「それが不可視の魔道着
武神悲劇の英雄クッレルヴォか」
「あら?これが良く不可視だって分かったわね?
大抵の雑魚は不可視と言う事すら考える事が出来ないのに~」
本当に感心した素振りを見せるメイガスに先手必勝の一撃を入れるデスト
「お前のその腹が立つ口調を終わらせてやろう
『修羅双閃:双龍演舞』」
双剣から放たれた2つの斬撃は白と黒の龍へと姿を変え
まるで生きているかの如くあっちへこっちへ移動しながらメイガスに襲い掛かる
「ふふん♪可愛い龍ちゃんだ事!
35番カレワレの杖能力発動よ♪
『未来の悲劇』」
紫色へと変色したカレワレの杖が2体の龍に触れる
その瞬間龍は苦しみ出しお互いを喰らい合い消滅する
「流石は悲劇の魔道師と言った所か
斬撃に過ぎない2体の龍にですら悲劇を与える事が出来るとはな」
「これ位出来なきゃ貴方には勝てないでしょ?
次はこちらから行くわよ~ん♪
32番カレワレの杖能力発動!
『生きる悲劇』」
今度は緑に変色したカレワレの杖の先端がデストに向けて伸びていく
「触れなければどうという事は無いわ!」
杖の軌道を読み完全に避けて隙だらけのメイガスの元に走り出す
「甘~い甘~い♪」
にんまり笑い杖を強く握り締めると伸びている杖の部分からひょきっと触手が現れ
デストの足を捕らえる
「ちぃぃぃ!!!」
振り払おうとするがすぐに悲劇が頭の中を侵食し始め動きが止まる
「さぁ~貴方の悲劇はどんな味かしら♪」
握っている所からも触手が現れメイガスの耳に入っていく
それと同時にメイガスも動きが止まる
どうやら2人とも深層心理の特殊な空間に意識のみが飛んでいるらしい
メイガスの意識がデストの深層心理の空間に入る
するとすぐに違和感に気づく
そこにデストの姿は見当たらず空間内も悲劇にはなっていない
カレワレの杖で悲劇を植えつけられた物の空間はどす黒く
その対象者の意識はメイガスの到着後には必ず苦しんでいる
それなのにデストの空間にはそんな物が無い
「何なのこれは…?」
今まで色々な人間を見てきたが必ず1つは2つは悲劇を持っているもの
それをデストの空間内では何1つ見つける事が出来ない
「それは私の力よ
無断でデストの中に入って来ないでくれるかしら?」
後ろから凄まじい殺気と共に声が響く
「煉獄の修羅…何故貴女が!?
ここには私の許可が無ければ入れないのに…」
「デストとは私の絆を甘く見ないで
貴女程度の魔道師の力程度じゃ私の侵入は防げない」
巨大な大鎌を構えメイガスに斬りつける
「ここでは分が悪いわね…!」
急いでカレワレの杖の能力を解除し深層心理の空間から飛び出る
「くぅぅぅ!」
深層心理内で受けたダメージはそのまま外にある体にダメージがリンクする
「悪いが俺には修羅が居る
お前の精神攻撃は一切通用せんぞ」
「く…くくくくく…ははははははははははははははははははははは!!!
この餓鬼ぁぁぁぁぁが!!!
良いわ!見せて上げるわ!私の最高の魔道をね!!!」
コートについた宝石が次々に砕かれていく
「これはただの装飾じゃないわ!
私の強大な魔力を封印する物なのよ~!
今その呪縛を吹き飛ばしてお前を殺してやるわぁぁぁぁぁぁ!!!」
目を真っ赤にし溢れ出す凄まじい殺気が部屋に亀裂をうむ
「ここからが本気と言うわけか
煉獄の修羅継承デスト・コンティアム参る!!!」