Brave 13
視察の次の日
ロザリアとペルセフォネは万全の状態で遺跡を目指す
遺跡に内部にあるコスモギアスの封印された祭壇に強力な結界を張る為に
ジュリアも同行するはずだったがやはり今の立ち位置では自由に行動が出来ず
仕方なく2人に任せる形になってしまった
しかし遺跡に向かう途中ロザリア達は呼び止められた
呼び止めた相手はマサイアスだった
「遺跡に向かわれるのですね?」
「な!?何ですか貴方は!?」
情報を知っていて見るからに怪しいマサイアスに武器を突き立てる
「ペル良いのじゃ
こやつは身なりは怪しいが信用出来る情報屋じゃ」
「そ…その説明はちょっぴり傷が出来ますよ…?」
帽子を取り深々とお辞儀をするマサイアス
ロザリアが言うのだからと言い聞かせて信用する事にするペルセフォネ
「それでなんで貴様がここにおるのじゃ?」
「ふふふ♪それは勿論コスモギアスの祭壇を調査する為ですよ♪
この探究心が抑えられず昨日は一睡も出来なかったのですからね♪」
言われて気づいたが足元はフラフラで目の下には大きなクマがある
余程この情報を入手してから興奮したんだろう
「ですから♪私も連れてってはもらえませんかね?」
ロザリアとペルセフォネの手をとり必死に頭を下げる
「まあこやつが居れば遺跡内も楽々進んでいけそうじゃからな」
「しかし一般市民を危険に巻き込む事は…」
そんな不安は一瞬で取り除かれた
マサイアスはペルセフォネに気づかれる事なく神無月を奪った
「え!?いつの間に!?」
「これでも世界、銀河各地を転々としてきた私探求王マサイアスに掛かれば
この程度の事は朝飯前でしてね~」
更に気づかれずに神無月を盗み取った所に戻す
「決まりじゃな」
大剣を背負い直しロザリアは遺跡へと向かう
そんな3人を見ている影が1つ
「やっと見つけた~次こそは殺してあげないとね…!」
舌なめずりをし影は姿を消す
3人はとりあえず遺跡の前まで来て休憩をする事にした
「いやはや~ペルセフォネさんのお茶は美味しいですな♪」
「あ…ありがとうございます…」
上機嫌なマサイアスが褒め称えるもいまだにマサイアスの雰囲気に馴染めないのか
距離を置いている
そんな光景をロザリアは少し微笑ましい物だなと思う
30分程度休憩を取りいざ遺跡内に入ろうとしたその時
「その遺跡には一歩たりとも入れないよ!」
自分達の後方から物凄い回転音と共にチャクラムが4本飛んで来る
「このチャクラムは…まさか!?」
ロザリアとペルセフォネが後ろを振り返るとそこに居たのはヴァシリーだった
「お久しぶりだね!やっとこの前の屈辱を返せるよ!」
「ふ!小さい事を一々気にするとはまだまだ餓鬼じゃのう」
余裕を見せつつロザリアは大剣の切っ先を向ける
「ロザリアさん」
「ペル!御主はマサイアスと共に先に遺跡に入り祭壇の封印を頼む
ここは妾だけで十分じゃ」
「はい!行きましょうマサイアスさん!」
「ん~2人の対決にも探究心が燃えますが致し方ありませぬな」
ペルセフォネとマサイアスは遺跡に中に消えていった
「良いのかい?君一人じゃこの前の二の舞だよ?」
そんな余裕を見せ笑っているヴァシリーの横を稲妻が駆け巡る
「な!?」
あまりに早く捉える事の出来なかったヴァシリーは顔に大火傷をする
「調子に乗っていられるのも今のうちだけじゃ
このロザリアの本気を見せてくれよう!
『武神降臨』」
天より降り注いだ雷がロザリアの体を包み込み雷帝鬼装へと姿を変える
大剣を一振りすると激しい放電と共に雷帝鬼刃へと姿を変える
「ちょっとは力をつけてきたようだね…
楽しみだよ!!!」
着ていたローブを投げつけ自分の姿をロザリアの視界から消し
背後を取る
「ははは!がら空きじゃないか!」
切られた両腕はロボットアームとなり両方合わせて合計10枚のチャクラムが
その腕にくっついている
「『十死周輪』」
10枚のチャクラムを一斉に背後から投げつける
チャクラムは複雑な動きをしつつロザリアを四方八方から一斉に襲う
「薄く研ぎ澄まされた新しい破輪は少しの風で方向を変えてしまう
これによって相手にはどこからどう来るかなんてわからない!
これで決まりだよ!!!」
高笑いをし自分の勝利に確信を持っていたヴァシリーだったが
「この程度か…この程度の奴に妾は負けたのか…
腹立たしい事じゃ…」
「そうだよ!?この程度の男に君は負けたのさ!
あの世で後悔の続きを思う存分して来なよ!!!」
チャクラムがロザリアのあと数センチまで届いた所でロザリアは指を鳴らす
「『雷電放流千線』」
名の通り千本の雷線が雷帝鬼装から現れ全てのチャクラムを一瞬で焼き尽くす
「へ…?」
あまりのショックに思わず声を出し口をあけてしまう
「何じゃ?もう終わりか?」
「な…何だよ!?何なんだその力!?」
混乱しているヴァシリーの前から姿を消すロザリア
「ば…馬鹿な!僕があんな女一人見失うはずが!?」
そんな事を言って要る隙に後ろからロザリアが現れる
「そう…御主はあんな女程度にここで倒されるのじゃ」
「くそがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ロボットアームに仕込まれたガトリングをロザリアに向けようとするが
「遅い!!!」
右手で雷葬鬼刃を振り抜きロボットアームを切り裂き左手をヴァシリーの胸に軽く添える
「『衝雷撃』」
「!?」
雷の塊と言うのだろうかそんな物がヴァシリーの体中を内部から叩きつけ一撃で気絶させる
圧倒的とも言えるロザリアの強さの前にヴァシリーは何も出来ず散って行った