Brave 12
メイガスがX Brave支部を逃走してから既に1週間
ペルセフォネの要請でメイガスを探すも足取りはつかめない
そんなある日
「ジュリア大変です!!!」
支部長室に流れ込むようにペルセフォネが入ってくる
「ど…どうしたの!?」
慌てているペルセフォネに落ち着くように背中を撫でる
「大変なんですよ!
武王機関の本部の方が今日ここを視察に来るのですよ!」
「ちょ!?そんな連絡貰ってないよ!?
てかやましい事なんてしてないし!!!」
武王機関とはジュリア達の所属する組織の総称で
地質この世界のTOPでもある
その本部の人が視察に来ると言うのは大抵面倒ごとである
「それでいつ来るのよ!?」
大急ぎで部屋を片付け始めるジュリア
「あと2時間ほどでこられます!」
そんなジュリアを手伝いながら答えるペルセフォネ
するとそこにロザリアがやってくる
「何をやって居るのじゃ?」
「ロザ!大変なんだよ!!!」
行き成り飛びついてくるジュリアにビックリして腰を打つ
「いたたたたた…何が大変なのじゃ…」
腰を撫でながらジュリアに問いかける
「武王機関の本部の人が今日視察に来るんだよ…
どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!」
本当に困った表情でジュリアが泣き叫んでいると
「まあそろそろじゃと思っておった…」
「え?」
2人がロザリアのほうを向ききょとんとする
「妾がデストの任務を受けてどれだけ立つと思っておる
それを考えれば武王機関がここに来るのは遅いくらいじゃ」
腰をソファーに下ろしゆっくりとする
そんな姿を見てジュリアとペルセフォネは更に不安そうに顔を見合わせる
片付けも終わる頃武王機関から視察官がやってくる
それも武王機関のTOPであるアルフェルシー・リヒカイトである
「あ…アルフェルシー様遠路遥々ご苦労様であります!」
ビシッとスーツを着て敬礼するジュリアにアルフェルシーは優しく微笑む
「あらあらそんなに畏まらなくても宜しいですわ
ところで…ロザリア・リージュドットは今どこに?」
玄関口から通路をある意と居る途中でロザリアの居場所を尋ねられる
やはりロザリアの事で来たのだった
「えと…支部長室に居ると思います」
不安を隠しきれないジュリアにアルフェルシーは優しく手を取る
「大丈夫ですわ
少しお話があってきただけですから心配する事は無いですわ」
満面の笑みでジュリアの不安を一瞬で取り除き2人は支部長室に向かう
ジュリアの思ったとおりロザリアは支部長室に居た
「これはこれはアルフェルシー殿久しぶりじゃな」
「ロザリアさんもお久しぶりですわ」
2人が顔を合わせた瞬間からジュリアに立ち入れる隙はなく
大人しく部屋を後にする
「それで何のようじゃ…」
凄く鋭い目線でアルフェルシーを睨む
「そんな事はご存知ですわよね?
デスト・コンティアムの事ですわ
少々時間が掛かり過ぎではありませんか?」
「それだけか?それだけの為にわざわざここまで足を運ぶのか?」
「まあ本題はこれからですわ
デスト・コンティアムの目的が分かりましたわ」
羊皮紙で纏められた報告書と写真が数枚渡される
そこに写っていたのはX Braveに存在する遺跡だった
遺跡の回りを撮られた写真が数枚と最後の1枚には祭壇のようなものが写っている
「この祭壇のような物は何じゃ?」
「その祭壇こそデスト・コンティアムの目的の要
かつてこの世界を人類を抹殺しようとした存在
コスモギアスの封印された祭壇ですわ」
衝撃の事実にロザリアは資料を地面に落としてしまう
資料を落した事にすら気づかないほど動揺している
「ロザリアさん?大丈夫ですの?」
「ば…馬鹿な…そんな事ありえん…不可能じゃ」
「信じられないのは私も同じですわ
しかしこれは武王機関の諜報部が調べた確かな情報ですわ」
武王機関の諜報部は優秀を通り越して異常である
X Brave支部のペルセフォネや情報屋のマサイアス何かとは比べ物にならない程の情報網
世界の隅から隅まで1週間もあれば調べつくしてしまうほどの実力だ
「それで妾にどうしろと…?」
「まずロザリアさんには引き続きデスト・コンティアムの退治をお願いですわ
その上でコスモギアスの祭壇を守り抜いて欲しいのですわ」
簡単そうでかなり難しい依頼をズバリと言う
「はぁ~…まあ幾ら貴族でも武王機関には逆らえん
その任務受けよう」
「物分りが早くて助かりますわ
それでは私はジュリア・レクイエムにこの事を説明してきますわ
では御機嫌よう」
満面の笑みで微笑みかけアルフェルシーは部屋を後にする
「はぁ~…やっと出て行ったか…
しかし本当に妾は………」
窓から見える空を眺め拳を強く握り締めるロザリアであった