最強悪役令嬢顕る!?
第一話 『転生悪役令嬢は2度死ぬ』
「異世界転生令嬢ものかぁ…いいよなぁ、悪役令嬢ってのもまたいいよなぁ。大体、悪役令嬢は俺好みの美人なんだよ見た目は」
「またそれかよ、瑞稀。なんでお前みたいな、海〇王に俺はなる!スタイルみたいな鍛え方してるやつがそんなん好きなんだよ?」
「悪役令嬢の絵が大体好みなんだよ。目付きがキリッとしてて、胸がでかくて、タッパもある良い女だ」
「あぁ、お前とは真反対の」
「あ?誰がチビだこれでも172あるんだよ、お前がでかいだけだろ巨人が」
と、談笑するのは悪役令嬢みたいな女が好きな花山瑞稀と巨人こと、文武両道、才色兼備、料理男子なギャル男でなんと俗にオタクに優しいギャルであるイケメン、雉山玖三というキラキラネーム持ちだ。しかしこいつなら恥ずかしくないのがまた癪だ
「殺してやろうか」
「お!?いきなりどうしたよ、こえぇって。」
「氏ねぇ!イケメンがぁッ! 」
「グワァッ!やめろォ!お前の全力でこめかみを親指で押すのは!」
「ふははは!痛がれ!クソッタレめ!」
「痛い痛い痛い!まじ、お前のその可愛らしい顔からどっからその力がでるんだよ!」
「首から下は関係ねぇ!阿呆が!なめんなよ、体重はお前と変わらねぇんだ!」
「このリアル刃牙が!」
「うるせぇ!軟弱者がァっ!うりゃりゃりゃりゃ!」
「いたたた!やめ!いたぁい!あっ!瑞稀あぶねぇ!」
「んぁ?たぁっ…!」
バタっ…
「おい…みずき!みずき…頭から血が…てめぇ、何しやが…!」
なんだァ?
頭が熱い…いてぇ……
「…アクア!貴様との婚姻を破棄する!」
「…あら」
思い出した…私、ミズキ・アクアこと、花山瑞稀は今、令嬢として、アトラス皇国第一継承者のカトロワとの婚姻発表の場において、たった今婚約を破棄されたところだ。
懐かしい記憶に浸りたいというところに…
「全く、貴方という方は…見聞が足りませんね、頭も足りていない。法務局の代表の方、一般的に皇族、および貴族間での婚約、またその破棄につき、方法から、当事者の権利を述べなさい。」
と、私が口元を扇子で隠しながらハッキリとした口調でいう。
すると一人の男が、
「アクア公爵令嬢、あなたの質問に我々は答えることができません。」
と応えた。
「あら、どうして?」
「本日、我々は発言権がないのです。」
「あら、皇帝の次に発言権、そして決定権があり、貴方たちが統べる法はこの国家においては皇帝ですら、例外になり得ない、この国家の人間であれば適用されると、私は幼き頃から大人の皆様方から言い聞かせられてきた、違いましたかしら?」
「いえ…、その…」
法律家の野郎共の顔を濁らせた。こいつは…あれだな。脅しが裏で入ってんな?
「仕方ありませんわね。そこの低脳王子と婚約なんてハナからお断りですわ…ですが、こんな低脳の相手を私以外にする者がいたとは…笑いが込み上げてしまいそう。」
目の前のバカ王子を嘲笑い、蔑んだ。
「な、なんだと…貴様っ!?この子に悪質ないじめをした果てに婚約破棄になっているというのに!この僕を侮辱するとは!反逆罪にあたるぞ!」
「反逆罪?反逆なのかしら…問う権利を私にいただいてもよろしくて?法律において、ただ2つ、当事者の申告において、罪が問われる、不敬罪と反逆罪。さぁ、今の私に何の罪がござりましょうか?それでも、私を牢屋、もしくは、アクア家からの追放を望むなら構いませんがね」
ザワつく、周囲。それもそうだ、今のミズキ・アクアには、花山瑞稀の意識が取り揃えられてるんだから。私、ミズキとこことは違う世界の瑞稀。しかも最強の若者。武術家だ…
「えぇい!衛兵!ミズキ・アクアをひっ捕らえろ!」
「は、はっ!」
衛兵が私を取り囲む。ふふ…花山瑞稀は凄いわね。こんなドレスでも、最強ね…頭に浮かんできたのは、まさか、赤いドレスを着た踊りだなんて。ただ…
「少ないわね。それじゃあ、私を捕まえられないわ、衛兵さん?」
「な…くっ、やれ!」
衛兵が一人私に、剣を抜き、突いてきた。
「馬鹿ね」
私は剣の腹を撫でるように触り、軌道を反らせ、威力を借りるようにその場でターンをする。
「ほら、当たんない。こんなに囲んできたら、素手で4人、剣では3人、槍だと2人が、精々できる同時攻撃の最大人数。私を捕えることは出来ないわ…さぁ、踊りましょう」
それからというものも、私が、躱し、流し、回る。しかし…疲れないわね。
「な、なにをしている!魔法を使え!魔法を!」
「は、は!【バインド】!」
ちょっと…
「動けないじゃない…」
茨で縛られたわね…どうするか。
「どうしようもないわね…また死ぬのかしら。」
あら…私、なにを言って…死ぬのは初めてじゃないの。
「けど、死に際くらい笑ってやるわ!バカ王子!アナタに第1継承権は向かないわ!ささっと弟たちに譲りなさいな!」
「奴の首を切り落とせ!」
「アハハハッ!」
私の断末魔は高笑いだった。私の高笑いは館中に木霊をする。鳴り止まぬ、木霊がこの一家を、この国の貴族たちを、国家を、世界を呪うのよ
…勝手に死ぬんじゃねぇ、俺の転生がダメになるじゃねぇか。やり直しだ
「え?」




