初めての歌唱
曲はループ音源を組み合わせて何曲か作ってあった中で合いそうなものにちょっと手を加えてみた。あんまり難しくて長いのは作れないので、とりあえず8小節だけを作ってそれを繰り返しすることにした。Metubeでそういうやり方で作っている曲もあると教えてもらった。
問題は歌だ。ここが最難関だ。正直歌は上手くない。だから今回もラップ調で歌うことを考えていた。リズムさえちゃんと取れればなんとかなるかもと。でも自分の声を録音して歌うって初めてで自分しかいないのに緊張する。
タブレット端末に向かって歌ってみる。
「だれかのー」
なんかハズっ!!
恥ずかしくてうまく声を出すことができない。
恥ずかしがりながら1フレーズ録音をしてみた。
「とりあえず聞いてみるか…。」
再生ボタン押す。
タブレットからは僕の素人丸出しの声が流れる。
「なんだこれ…。」
こいつは一体どうしたものか。別に誰かに聞かそうとか思ってないが、さすがにこれは聞いてて恥ずかしいレベルだ。
「あ、声が加工できるんだ。」
声が加工できるボタンがあった。マニュアルで自分で調整するところもあるが、ロボットや拡声器のマークがあり簡単に変えられるボタンがある。試しに拡声器のマークを押してみる。すると自分の声が拡声器を通したように変わる。
「いいじゃん、これ。これならどーにかして聞ける声にできるじゃん。」
加工した声で歌うことでどうにか形にできた。照れは全部は消えないけれど2、3回歌っていくとなんとなく調子が掴めてきた。
歌って…って、言ってもリズムに抑揚つけて語ってるだけだけど、それを録っては録り直してを繰り返す。
少しずつ歌が出来上がっていく。ワクワクが広がっていく。
歌っていると不意にメロディが浮かんでくる。抑揚つけていただけのところに少しそのメロディを入れて歌ってみる。下手くそだし、抑揚とあんま変わらないくらいのメロディだけど、なんか少し歌っぽくなった。
曲、歌詞、歌が出来上がって組み合わせられた。あとは全体のバランスを少し調整をしよう。
出来上がった1曲を何度も聞いてみる。ここに音をくわえたほうがいいかな?前奏はもっと短いほうがいいかな?いや、これはやらないほうがよかったか…。
やってもやっても答えは見えない。でもそれが楽しい。正解は僕だけのものだから。