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SUI夏は孤島で上を向く  作者: ムラサキ
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初めての歌詞

 まず歌詞かー。そんなもの今まで作ったことないからなぁ。中学校のとき作文で誉められた経験はあるけど、実際そんなに得意じゃないんだよね。


 文って自分のことを晒けだすみたいで。あんまり自分のこと主張するの好きじゃないし、知られるのも少し恥ずかしい。だから作文とかでも躊躇してしまってたな。


 あと自分ってそんなに個性的な人間じゃないし…。誉められた作文もどっかで見たうまい誰かの書き方を写したみたいに感じられて…。それ、100パーセント僕の手柄じゃないよって思ったりしていた。


 自分で何か生み出すって実際したことないや。だからはばろーが言っていた自分のオリジナルって言葉に惹かれたのかもしれない。


 ボールペンを握って、ノートに向き合ってみるけどなかなか浮かばない。何を書いていいかもよく分からない。


「とりあえず、お風呂に入ろう。」


 諦めてお風呂に入ることにした。


 湯船に浸かって、考える。自分ってなんだろう。今まで人の後追いばっかりしてきた自分…。まるで誰かの影踏みしてるみたいだ…。辺りが暗くなっちゃったらその影は見つからなくなっちゃう…。


 はっ!と思い付いた。


 だったら、この今の自分について書けばいいじゃないか!誰かの後追いしている自分について。影踏み…いいワードじゃん。


 脱衣場に置いてあるスマホを取ってきて、また湯船に入り、今思い浮かんだワードをメモ機能に入力する。


「誰かのマネ」

「影踏み」

「暗くなる」

「ホントの自分」


 それだけ入力したらまた脱衣場にスマホを置いて急いで頭と体を洗ってお風呂を済ませる。髪を乾かしながらまたスマホのメモに入力していく。


 さっきのボールペンを持ってノートに、向き合っていたときと段違いに思い付いていく。


 ぶつぶつ言いながら、あぁかなこうかなとスマホの画面に思い付いたことを入力していく。


「なんか…形になった…?」


 歌詞のようなものが出来上がった。他の人から見れば多分ダサくて面白味もないものだろうけど。これは今の自分から出てきたもの。


 出来た歌詞を読み直してにやにやしてしまう。曲と合わせたら僕の…僕だけの歌が出来上がるのかな…?




「影踏み」


だれかの影踏みばっか

自分なんてなくってさ

全部が闇に飲み込まれたら

ホントの自分はどこに行くの


shadow in verse

このバースにも取り込まれる誰かの影

でも見つける自分の種

この場所に落とされる言葉遊び

その中で見つける僕の物語



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