新たな挑戦へ
「コンテスト?」
hajimeに呼び出されて、話された話に僕は首を傾げる。
「うん。高校生DTMコンテストっていうのがあって、DTMで作られた作品を募集しているんだ。」
「hajimeはどうか知らないけれど、僕はそんな賞とか興味ないよ。それほどの実力もないし。」
「俺も趣味でやってるだけだから、絶対とりたいって訳じゃないんだけど。でもせっかく何か作ってるんだから、やるからには目標とかあったほうがいいの作れるかなって。」
「まぁ、一理あるね。中途半端に手をつけて未完成の曲も確かにあるし、目標あれば一曲は絶対完成するしね。」
「こないだ3人で一緒に作った曲も出来たときの達成感ってスゴかったからさ、正直またあの気持ちが味わいたいなって思って。」
確かにね。あの曲が出来たときの気持ちって今まで感じたことがない満足感みたいなのがあった。何かを作りあげるのって心が満たされるんだなって思った。
「そうだね。hajimeともまた曲が作れるんなら、それは楽しいもんね。」
「とりあえず結果はどうこうはあまり考えずにやってみようぜ。」
「うん。やってみる。僕らまだ高校生だし、挑戦って大事だもんね。」
「とりあえず2人の歌詞やトラックを持ち寄ってみて、方向性を考えてみるか。それかSUI夏は何か作りたい感じある?」
「あー、僕は一曲、ラップ主体の歌作りたいかなぁって思っているんだ。」
「へー、なんか歌詞の案とかある?」
「あるんだ。何か作るときって自分の中の自分に問いかけて、掘り起こしてみる感じあるじゃん。あの自問自答している気持ちを歌詞にしたいかなって思っていて。」
「あー、あるな。自分の作るものって自分が経験したこと、聞いたこと、見たことあるものから作られていくもんな。それをまず掘り起こしていく感じある。うん…面白いかも。」
「ほんと?」
「とりあえずその方向性で作っていってみるか。」
「うん。とりあえずそうしてみよう。そうか。コンテストってことは僕らの曲を審査員の人は聞いてくれるってことだよね。誰かに聞いてもらえるって嬉しいな。」
「そうだな。とりあえず締め切りまでに作り上げるぞ!」
そうして僕は新たな歌詞作りに取りかかる。hajimeも何か新たな挑戦をしてみるって言っていた。今度はどんな曲に仕上がるのか作る前からワクワクする。とりあえず絶対完成させるぞ!




