悪意の石に負けないように
誰かの放った石礫
上から投げる者にとって
それはただの小石に過ぎず
下から受け止める者にとって
それは紛れもない凶器に変わる
放られたそれはまるで雨
心ない言葉の雨は
雨ではなく弾丸であり
そしてたしかな猛毒を持つ
恭悦に浸る悪意の塊は
意思を持って投げられる
そしてそれが落ちれば最後
優しい者から堕ちていく
石は柔らかな心を削って抉って
少しずつ少しずつ蝕んで
花園を荒地へと変えてゆく
気づいた時にはもう遅く
どうして、なんて
聞くまでもないのか
きっとそれは戯れの悪意
その悪意の意思の本質を
理解したいとも思わないけれど
その石に負けないように
せめて倒れゆく人のために
荒地に種を撒きましょう
心を守る、物語の種を
きっと育ててみせるから
終わりはまだ見えないけれど
だから少し、おやすみなさい
いつか傷が癒えるまで
笑顔の花が咲くその日まで