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夢見〇〇/〇〇11

身体を引きずられる感覚で目を覚ます。

えっと…どういう状況?

頭が追いつかないし、両脇に腕を引っ掛けて運ばれてるみたいなんだけど、脇の辺りも、ついでに時々壁とかにぶつかったりで全身痛い。何より、それと比べものにならないくらいお腹が痛いし、ものすごく身体が怠い。


「ふぇ…あの…いま…どういう……」

「……とりあえ、ず…移動して、から…ぐっ、こんな、時…自分、の…小柄な、身体が、恨めしい…」

どうやら運んでくれているのは夢見さんらしい。

「あの…もう少し優しく…」

「うるさい。なら自分で歩け。あと時間考える。周りの睡眠の邪魔。」

そんな事言われても…

怠くて身体もろくに動きそうに無いし、時計も無いから時間も分からない。

取り敢えず大人しく引き摺られながら運ばれる事にした。



「よい……しょっ」

重々しい掛け声と共に夢見さんのベットへと寝かされた私。

私…重いのかな…そんな太った記憶無いんだけど…BMIだって適正、むしろ痩せ型だったのに…

少しだけ凹んだ。


部屋の壁掛け時計を見れば、今は深夜3時頃。

この怠さ、眠さからか?普通に眠い。

あとお腹痛い。

「取り敢えず今は寝なさい。」

どこからか取り出したホットアイマスクと湯たんぽを私に押し付け、そのまま部屋を出て行ってしまった夢見さん。

正直全くついて行けてない。


えぇ…私さっきまで何して……なんか、戦ったような…寝てたような…学校に、いたよう、な…べっどで…ねてた…よう………な…


ダメだ。眠さで思考が纏まらない。

取り敢えず寝よう。

そう思って私は意識をシャットダウンした。

お腹周りと目元が温かくて、凄く気持ち良く寝れた。





一夜明け、次の日。

土曜ながら本日はシフト無し。

予め夢見さんはこうなる事を予測していたんだと思う。


眠気がしっかりと吹き飛んだ事で、昨夜の事も思い出した。

まだ身体は怠いけど、動けない程では無い。

当の夢見さんはまだお眠な模様。目を擦り、欠伸をしながら部屋に入ってきた。


「体調は?」

「まだ少し怠いですが、問題ない範囲です。まぁ、脇と身体の一部が無理に体重が掛かったのと打撲で痛いくらいです。」

「……それはまぁ…悪かった。私にはあなたを運ぶ程の力は無くて…」

そういえばなんか夜中にも言っていたな。

小柄な身体が恨めしいとか何とか…


昨夜は黒魔に取り憑かれたお客さんの夢の中に入って戦ったのだ。その際、すぐ隣で眠って…

……お客さんが起きた時に隣に私が寝ていたら……

……私は引き摺られる痛みがあったから起きれたようなもので、全然普通に眠ってたし……

黒魔という事情を知っている側からすると必須な事でも、何も知らない人からしたら恐怖そのもの…

最悪そのまま警察ざ…た………


………あれ、これ起きなかった私が悪いのでは…⁇例え引き摺られても文句言えない…⁉︎


「ごめんなさい。」

「ん、よろしい。」

黒魔の宿主が眠ったら即座に対象の隣で眠り、夢の中で黒魔を狩り、対象が起きる前に撤収する。

想像以上に大変だ。

夢見さんの事だからそうならない為、浅い睡眠ですぐに起きないようになどの対策はしてある筈。

寝具やアロマ、灯の色に至るまで気を遣っていたのはそういう理由もあったのだろう。


「夢の世界から戻ってすぐに起きられないのは正直良くある事。私も最初は苦労した。……気がついたら昼まで寝てたなんて事もあった…」

おっと思わぬ暴露話。

ただまぁ、想像はしやすい。


「多分3ヶ月なんかで即起きれるようになるのは無理。でも、起きてすぐに撤収をしなきゃ行けない。だから…あなたを叩き起こす事を許して欲しい。」

凄く申し訳なさそうな夢見さん。


そりゃそうか。

睡眠を愛する夢見さんにとって、睡眠を妨害される事なんて拷問等しい。

そしてそれは当然、する側だったとしてもだ。


「大丈夫です。その、出来る限り優しくして欲しいですが…」

「善処する。」

少々の不安は残るが、仕事とお客さんからの信用が1番だ。

………ちょっと厚着か何かで対策しよ…

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