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悪夢に好かれた少女、小桜栞14

走る。

走るが……


「ここどこ…」


そう。目的地があるとは言ったが、それがどこなのかは私も知らない。


というか向こうも移動してるだろうからそもそも会えるかすら不明。


走って逃げてるの、失敗だったかな…


現在私達を追ってきてるのは2体。

足はそこまで速く無いものの、ずっと追いかけてくるその姿は、抵抗する力を持たない私にとっては恐怖そのものだった。


裏路地で撒こうとは考えたが、それをするには土地勘が無さすぎる。

撒くつもりが行き止まりで追い詰められました、なんてなったらそれそこ一巻の終わりだ。

それに多分向こうもそんな道にはいないだろう。

つまり、


「ただ全力で走って逃げるしかないと…」


正直そろそろキツイ。

しおりちゃんは軽いから負担にはなってない。まぁ腕を振って全力で走れないが、それはしおりちゃんをおんぶすればいけるだろうけど、この歳の子に自分の腕の力だけで捕まっておいてとは流石に言えないし、どうせそれをしたところで50m走9.2秒の私には大差無いだろう。

短距離よりはまだ持久走とかの方がマシだけど……マシ程度だ。得意なんて口が裂けても言えないレベル。つまり詰みはもうすぐそこまで来ていた。

横っ腹痛くなってきてるし、息も切れてる。

あと1分もすれば私は体力切れで倒れるだろう。

そうなったらもうお終いだ。

それまでになんとかしないと…必死に身体を動かしつつ頭も回転させる。


私が勝つために必要な事はただ一つ。

夢見さんとの合流。

私は戦う力を持ってないけど、夢見さんなら…



と考えて1つ気がついた。


私がここにいるのは多分夢見さんの謎パワーによるものだろう。


でも、果たしてここに今夢見さんはいるのだろうか。

もしかして今この世界に入り込んでしまったのは私だけなんじゃないだろうか。


気がつきたくなかった可能性。

だが、気がついてしまうと途端に不安に襲われる。

徐々に走る速度が遅くなる。


「…⁇」


そんな私の不安を感じてなのか、抱き上げたしおりちゃんが私の方を見ている。


ダメだ。まだ諦めたらダメ。


「……うん、大丈夫。大丈夫だから。心配しないで。」


もう一度、走り出す。


ところでだが、私は夢の中という場所について詳しくは知らない。

いや、何も知らない。

黒魔?とかいう存在がいるという事は経験で理解している。だけど、それ以外何も知らないのだ。


例えば、今のところ違和感は感じていないものの、物理法則なんかは元の世界と同じなのか。

例えば、この世界はどこまで続いてるのか。

例えば、この世界で怪我をしたらどうなるのか。


例えば———この世界で死んだらどうなるのか。



何も知らないのだ。

そりゃ不安にもなる。

死にたくは無い。でも———この子を、しおりちゃんを見捨てるのもしたく無い。


嫌だ嫌だ嫌だ。


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。


まるで駄々っ子。

何も知らないのも嫌だ。見捨てるのも嫌だ。死ぬのも嫌だ。


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

だから争う。今私に出来ることをする。


今の私に出来ることは、夢見さんを見つける事。その為に走る事。


全力で走る。

走る。走って逃げる。走っt………


「あっ…」


全力で走っている時には気が付かなかった。

どうやら靴紐が解けてしまっていたらしい。

それを踏んで、足を取られて転んでしまった。

何とかしおりちゃんに怪我はさせないように体を捻る。その甲斐あってかしおりちゃんは無事みたい。よかった。



………いや、よくない。

さっき一度足を緩めたから。今こうやって転けたから。そもそも体力が尽きてきて足が遅くなってたから。


理由は色々あるが、残り25メートルもないところまで黒魔?は迫ってきていた。


黒魔?はこちらが動けないと見るや、速度を上げて迫ってくる。

もうダメ。どうにもならない。こうなったらもう一か八か。


胸の中にいるしおりちゃんの耳を塞ぐ。

空気を吸い込み、限りなく全力で叫んだ。


「夢見さぁぁぁああああああん‼︎」


叫んだところで変わらない。黒魔?はどんどん近づいてくる。


2体のうち1体がより先行して来ている。その距離あと数歩。


これは無理だ…

反射的に身体を捻ってしおりちゃんに覆い被さったのは、仮にも1人の姉としての本能なのか。


衝撃を覚悟してギュッと目を瞑る。


ドッ、っと何かが刺さった音がする。


「うっ……」


条件反射で呻き声を上げたが、———痛みは無い。

………何かおかしい…いつまで経っても痛みが来ない。


即死……したわけでは無さそう。

恐る恐る首を回して黒魔?を見る。


………姿が見えない。

少し下の方を見て…いた。

倒れている。

その胸にはどこかで見たことのある漆黒の短剣。



「全く…公園も家も、栞が行きそうなところは全部探したのに居ないから何事かと思ったけど……そういう事ね。」


すとん、という音と共に降り立った黒衣を纏った少女。

ずっと見たかった姿。私の目的地にして勝利の鍵。


「あそこで叫んだのは英断。お陰で見つけれた。」


「夢見さん‼︎」

最近グダりガチだったけどようやくここまで来た…長かった……


鈴華編12話、歩美編11話に対して栞さん編現時点で14話ってマジですか……


………今後編集して文字数少ない話数いくつか纏めようかな…うん、いつかそうしよう…

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