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怖がる新人教師、如月歩美8

私は再びあの部屋に来ていた。なんか、ここに滞在している間はこの部屋を使っててくれて構わないって言われたけど、なんか少し申し訳ない。


「それじゃあ今回のアロマはジャスミンを使います。」

栞さんが使うアロマについての説明をしてくれる。

「ジャスミンって…あのジャスミンティーの…?」

「はい。ジャスミンの香りは、何も手がつかないほどの自信喪失な状態でも気分が変わり、元気がどんどん出てくると言われています。」

「なるほど…」

為になる。


「温度とか問題ないですか?湿度とかも。」

「はい。大丈夫です。…その、ありがとうございます。何から何まで…」

「いえいえ。そもそもこういうお店ですし、私自身も困ってる人はあんまり見逃せないので…」

そう言って栞さんは笑みを浮かべる。

サウナくらいには暗いこの部屋だが、栞さんの笑みは太陽のように眩しかった。


「それでは、ゆっくりと寝てくださいね。おやすみなさい。」

「はい。おやすみなさい…」

栞さんが部屋から出て行く。

「ふぅ…」

ちょっと一息。今日は本当に色々あった。

朝には担任から怒鳴られて、夢見さんがそれに対して怒ってくれて、ちょっとだけヒヤヒヤして。その後校長に休職をお願いしたら意外とすんなり許可をもらえた。

さらにその後は栞さんと一緒に私に合う枕とかを探し、お昼からは栞さんのお手伝いをしようとしたら、大丈夫ですからゆっくり休んでてください、って笑顔で言われてしまって、もうどうすればいいのか分からなかった。

料理は基本的に栞さんがテキパキと作ってしまうため、そこまで料理が得意ではない私は何も手伝えなかった。

ご飯の時は夢見さんと、朝と夜には鈴華さんも一緒だった。お昼まではまだ少し気まずかったが、夜になるとそれも少しずつ減っていった気がした。

どうやら鈴華さんはここのバイトさんらしい。妹さんではなかったのか…

昨日はお泊まりをしていたようだ。ちなみに今日は泊まっていかないらしい。私に気を使っているのだろうか?だとしたら申し訳ない…


そしてなんだかんだで1日が終わったのだ。

「色々…疲れた……」

なんだか、今までの分の疲労が一度に襲ってくるような感覚がした。

寝れるかなぁ…そんな考えを一瞬にして吹き飛ばすように、私は深い眠りに誘われた。



「…寝た……よね…」

歩美が寝たことを確認して、部屋に入ってきたのは夢見。

「寝て…る。よし。」

熟睡している歩美のことを確認すると、夢見はそっと歩美の頭を撫でる。

「…お疲れ様。こんなにも疲れて…黒魔にも取り憑かれてるし…今までずっと寝れてなかったんでしょうね…」

その顔は、まるで娘を見つめる母のよう。

「今…解放するから。」

そう言うと、歩美の隣に寝転がり、その手を握ってそっと目を瞑った。



暗い。真っ暗な闇。

目の前にある小学校らしき建物以外は何もない。

ここが今回の舞台。

ここに歩美と黒魔がいる。


校門を通る。そのまま玄関らしき場所から校舎に侵入。


ありがたいことに生徒は誰もいなさそうだ。

この世界にいる宿主と黒魔以外の生物は皆黒魔の眷属。だからこそ誰もいないのはつまり敵がほとんどいないということなので、かなりありがたいのだ。


「…いない……」

しばらく校舎をうろつくが、どこにも歩美の姿は見えない。


「というか、ここどこ……」

気づけばそこは音楽室らしき場所。

周りを見渡しても、特に誰もいない。

「……戻ろう…」

一度引き返してみる。


数分後、

「…なんで……」

また、音楽室に来ていた。普通全く同じ音楽室が2部屋あるなんてことはないだろう。つまり…

「……迷ってない…」

また引き返してみる。


さらに数分後、

「…………」

またまた音楽室に来ていた。ここまで来たら言い訳のしようもない。そう、夢見は方向音痴だった。


「《魂喰の大鎌(ソウルイーター)》」

夢見がそう言うとその手に闇が集まり、漆黒の大鎌《魂喰の大鎌》が形作られる。


そして

「…ふんっ‼︎」

魂喰の大鎌(ソウルイーター)》で音楽室の窓とその周辺を破壊する。

そしてそこから飛び降りる夢見。

「…こっちの方が早い。」

本来なら即死必死の高さだが、ここは夢の世界であり、さらに夢見の特異性故に一切の無傷である。


さて…次はどこを探せば…

そこまで考えていると、不意に人の気配がした。

どこ…

探してみれば、そこは職員室。

現在地からはすぐそばであり、今は校舎の外とはいえ、窓から飛び込めばすぐに入れそうだった。

「…待ってて……」

夢見は駆け出し、窓に向けて大鎌を振るった。

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