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第五十一話 「希望の炎」

次回でウルフの話は終了です。

ウルフが持つ魔石の名前はゴールデンユートピア。


触れた物を何でも金にしてしまう魔石だ。

この圧倒的な力の前に、ランジ、バリー、ルーナですら歯がたたない。


ウルフはバリーの身体を掴み、持ち上げた。

「これで分かったろ?俺に勝てる奴なんざいねえ。」

狙撃部隊は全滅させられた。バリーはあきらめかけていた。

(こんな能力を持った奴に・・・勝てるわけがない!)


「あなたを倒せる力を持った人なら、まだいるわ。」この場において、ルーナだけは諦めていなかった。


「ほお。それは誰かな?」

ウルフは嘲笑する。


「ゼルなら・・・ゼルならあなたを倒せる!」

バリーははっとした。


(確かに!彼の炎なら金に対抗できるかもしれない!)


しかし、ウルフは全く動じていない。

「残念だったなあ、嬢ちゃん。ゼルはここには来ない。今頃アルフォンに殺されているだろうぜ。」


ウルフはある物をバリーとルーナに見せ付ける。

二人は目を見開いた。


「な、何であんたがそれを・・・。」

ウルフが持っていた物はレオ。


「アイツから奪っておいたのさ。ゼルがどれだけ強いかは知らないが、魔石無しではアルフォンには勝てん。」


バリーはウルフを睨む。

「万が一ここに来ることが出来たとしても、魔石無しでは何もできねえ。」


バリーの身体は少しじつ金になっていく。

「面白いだろ。生きた人間が金になる。全身が金になったら最後、10分程度で心臓は停止する!」


バリーの身体はすでに半分ほど金になっていた。


「お前は・・・、ゼル君には勝てない!」


バリーの身体は完全に金になってしまった。

「いやあああああ!」

ルーナは悲鳴をあげる。


「あと10分、それまでにこのゴールデンユートピアを破壊出来ればコイツの命は助かるだろう。」


ウルフはバリーの身体を蹴り飛ばした。

「・・・お前も金にしたのでは芸が無い・・・、ここはコイツを使うか。」


ウルフはレオを握る。

ルーナはウルフを睨みつけた。

「あんたなんかに救世の魔石は使いこなせないわ!」

「ほざいてな!愛する者の魔石により、死ね!」

ウルフは魔石を発動しようとする。

しかし、何も起きない。


「な、何だこれは!発動しろ!」

ウルフは無理矢理レオを発動しようとした。


突然、レオを握っていたウルフの右腕が炎に包まれた。

「ぎ・・・ぎゃああああああ!」

ウルフはいきなりの事にパニックになり、地面に腕を擦りつけて炎を消そうとしている。


(てめえみてえなゲスが俺様の力を借りようとするとは・・・ヘドが出るぜ!)心に響く、レオの声。


「魔石の分際で、使い手を選ぶだと!?」


今度はウルフの全身が炎に包まれた。


(勘違いするなよ!俺は使われてんじゃねえよ。使ってやってんだ!)


ウルフの身体は火傷だらけだ。

ルーナは、何が起きているのかも分からず立ち尽くしている。


レオは、宙に浮いた。

そして、ウルフから離れていく。

(今度こんな情けねえ真似しやがったら、俺は力をかさねーぞ!)


レオが向かった先には・・・

ゼルが立っていた。


「・・・こりゃあ、どういう状況だ?」

ゼルは辺りを見回す。


「ウルフの魔石は触れた物を金にしてしまう能力なの!あと5分くらいで、バリーさんが死んじゃう!」

ルーナが説明した。


ゼルは分かった、と頷いた。

「おっさん。あんたは良い奴だ。だからこそ、間違いを正してやらねーとな。」

ウルフは起き上がる。

「ガキに正されるつもりはねーよ!お前も金にしてやる。」


ゼルはレオを発動した。

「悪かったな、レオ。こんなヘマは二度としないから、俺に力を貸してくれ!」

ゼルの身体を炎が包む。

炎の爪。

炎の足。


「あと5分か・・・。それまでにけりをつける!」


ゼルは素早くウルフの正面まで移動した。

ゼルはウルフの身体を殴りとばす。


ウルフはのけ反った!

しかし、身体を金にして、防いでいた。


(奴の腕は、金になっていない!炎が盾の役割をしているのか・・・。)


「身体を金にしたのか。あれじゃ物理攻撃は効果が薄いな。」


ゼルはレオを強く握る。

「メラ・ランス!」


炎の槍が数本、ウルフの身体に命中する。

「あっちいい!」

ウルフは叫ぶ。


「あんまり聴いてなさそうだな。それなら、これはどうだ!」

レオにエネルギーが蓄積される。


「バースト!」


炎のビームがウルフに命中した。

大きな爆炎があがる。


「すごい・・・。」

ルーナはレオの真の力を初めて見る。

あまりのすごさに圧倒されていた。


炎の中から、ウルフが出てきた。

全身が金になっている。

「はっはっはっ!耐熱金だ!これで熱攻撃はきかねーぞ!」

ウルフの身体は光輝いている。


ゼルは、地面に膝をついていた。

(やべ・・・さっきの闘いで身体がボロボロだった。)














ついに本気を出したウルフ!ゼルは再びピンチに陥った。

残り時間は約三分。


次回 決着!ブルー教!

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