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第四十八話 「ブルー教」

ご意見がありましたので、魔石について改めて詳しく説明します。 この作品に出てくる武器用魔石は、石の状態をした魔石が変型した、もう一つの形です。使用者の意思により石の形から武器の形に変化するのです。また、その武器は強度が高く、傷をつけるには救世の魔石レベルの威力が無いと不可能です。 分かりづらくてすみません。おかしな所は直していきますので、今後ともよろしくお願いします。

「ん?ここどこだ?」

ゼルは身体を起こす。

見たことの無い部屋。

ベッドにゼルは寝ていた。

どうやら、寝室のようだ。「おお、坊主!目が覚めたか!」

そこにいたのはウルフ。


「おっさん?ここどこだ?」

「ここは俺の家だ。さっきの試合でぶったおれたろ、お前。だから俺が連れてきた。」

ウルフは笑う。


「そうだったのか。ありがとな!俺、帰る。」

ゼルはベッドから身体を出す。


「まあ、待て。さっきの試合での食いっぷり気に入ったぜ。ゆっくりしてけよ。」

ウルフはゼルを食堂に誘う。



「フォドス大食い大会?ああ、そんな時期だったな。」

ルーナはランジにゼルが半ば強引に連れていかれたことを話す。


「何か、怪しい感じがしたのよ、その人。」


「別に、そんな心配する事ないだろ。ゼルがあのガキに連れてかれ・・・。」


突然、ランジの表情が変わった。

「待て・・・。そいつ、何て名前だ・・・。」


「確か・・・、ウルフって名乗ってた。」


ランジは布団から起き上がる。

「ボルノさん。コイツはやべえかも知れねえ。」

ランジからは焦りが感じられた。


「君が行って何になる?そのケガで・・・。」


「だからって見捨てるわけにもいかねーだろ!」

ランジは病室から飛び出した。


「あ〜。ランジ。絶対安静だったのに。」

ルーナはあきれ顔だ。


「ボルノさん、ランジ何であんなに焦ってたの?」


「ウルフという男はね、ブルー教の教祖なんだ。」


「ブルー教ってこの街の宗教?」


「前にも話したが、この街に政府が手を出さないでいるのもブルー教と政府が不可侵条約を結んでいるおかげなんだ。」


「でも・・・。教祖が大食い大会とかに出ていいの?」


少し間をおいてからボルノは言った。

「ブルー教は、欲を抑えるな、という考えを持った宗教。己の欲のままに生きてるんだ。」


「それって・・・。」


「ブルー教と天空騎士団はあまり仲が良くなくてね。もし、彼らが己の欲で天空騎士団を消すためにゼル君のレオを狙ったとしたら・・・。」


ルーナは背筋がぞっとした。

「私も行って来ます!」

ルーナもランジのあとを追うように病室から出て行った。


「面倒なことになってきたな。」

ボルノはため息をついた。


「へえ〜。オッサン、ブルー教の教祖だったのか。」ゼルは食堂でコーヒーを飲んでいた。

さすがに食べ物はいらない。


「ああ。俺はブルー教の拠点を別の街から故郷であるこの街にうつしたんだ。」

「なんでそんな事したんだ?」


「この街の住民達はな、みんな貧困なんかで苦しんでたんだ。俺はブルー教をここに移してみんなを政府の悪政から遠ざけてやりたかった。不自由ない暮らしをさせてやりたかったのさ。」


「へ〜。オッサン、いいやつなんだな。」


「欲のままに生きられるってのは幸せだろ?」


ウルフがそう言った時、一人の男性が入ってきた。

男性は緑髪で、髪型はオールバック、長身だった。

「ウルフ様、準備は出来ました。いつでも実行出来ます。」


「ああ、アルフォンか。分かった。」


「オッサン、準備って何だ?」


突然ウルフは笑みを浮かべる。今までのどこか優しそうなウルフでは無い。

「な〜に。ちょっくら天空騎士団を潰そうと思ってな。」


ゼルの目つきが変わる。

「何・・・だと・・・。」


「ウザイんだよな・・・。この街を統治してるのはブルー教だってのに我が物顔で居座りやがって・・・。」


「オッサン!どういうことだよ!」

ゼルは愕然としている。


「簡単なことだ。俺らブルー教は欲のままに生きる。トップに立ちたいから、天空騎士団を潰す!」


ゼルは拳をあげる。

そして、ウルフの顔面を殴り飛ばした。

ウルフの巨体は吹き飛ぶ。

「オッサンは良い奴だ!なのに、何でだよ!」


ウルフは床に唾を吐く。

「俺達は所詮、己の欲のために生きたいだけなんだよ・・・。」


「オッサン・・・、悪いけど、全力で止めさしてもらう。」


ゼルはポケットから魔石を取り出そうとする。


しかし・・・。

「な・・・!レオが無い!?」

ゼルは予期せぬ事態に戸惑った。

いつもポケットに入れているはずのレオが無い。


「残念だったなあ!レオはいただいたぜ!」

レオはウルフの右腕で赤く輝いていた。


「まさか、てめえが救世の魔石を持っているとは思わなかった。これでまた一つ、俺の欲が満たされた。」

ウルフは部屋から出て行こうとする。

「ま・・・待てよ!てめえ!」


「お前の相手はアルフォンがする。俺は今から信者を連れて、天空騎士団を潰しに行くんでな!」


ウルフは部屋から出て行った。

緑髪の男性、アルフォンが近づいてくる。


「ふ・・・。男を殺すのは趣味じゃ無いが・・・まあいい。果たして、魔石の無い今のお前が俺に勝てるかな?」


「んなもん、やってみなきゃ分かんねーだろ!」



一方、ウルフは信者と共に天空騎士団本部へ向かっていた。

「ん?あそこに誰かいるぞ!」

信者の一人が言った。

確かに、人が二人立っている。

ウルフは笑みを浮かべる。

「自ら殺されに来てくれるとはなあ・・・。」



そこにいたのは、ランジとルーナだった!


次回 ブルー教対天空騎士団

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