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第四十七話 「フォドス大食い大会」

補足 現時点で登場しているキャラクターで最も強いのはダイオと思われる。 二番目はリデュー。 三番目はホークと続く。

「おい、そこに隠れている奴、出てこい。」

ホークは何者かの気配を察知した。

木の影から少年が出てきた。

「誰だ?」

ミリーは少年に尋ねる。

「確かお前、俺の隊の隊員だな。」

ホークは言う。


「お願いがあります!俺もクラムス洞窟に連れていってください!」

少年は土下座をする。


「あの洞窟は良くない噂が流れている。八光クラスでなければ、行くのは危険すぎる。」

ホークは少年を連れていくつもりは無い。


「覚悟は出来ています!俺は、命を懸けます。」

少年の目には、強い炎が宿っていた。


ホークはしばらく悩んだあと、言った。

「死なないと約束出来るなら、ついて来い。」

ホークとミリー、そして謎の少年は先に進んで行く。


フォドスの街。

ゼルとルーナは商店街を歩いていた。

「なんかこういう所に来るとワクワクするね!」

ルーナは元気だが、ゼルのテンションは低かった。


二人がクラムス洞窟に向けて出発せずに、街を歩いているのにはわけがあった。

ランジのケガの治りが遅いのだ。

ゼルはそれなら二人で行く、と言ったが、ボルノが人数が多い方が安全だから、と引き止めたのだった。


ゼルの心には、速く洞窟に行かなくてはという焦りが生まれていた。

「俺・・・。こんな所でゆっくりしてていいのかな。」

ゼルは言う。


「まだ、政府も洞窟に向かってるとは限らないし、それに二人で行くより三人で行く方が良いよ。」

ルーナは言う。

少し、ゼルの焦りは解消された。


「そうだな。急いだって仕方ないか。」



二人はその後、買い物を楽しんだ。

一時間後−。


「ん〜。腹減ったな。」

ゼルは腹に手をあてた。


「まだお昼まで大分あるよ。」

確かに、昼まではまだ二時間以上あった。


「何か食い物買うか。」


その時。

どこからかチラシが舞ってきた。


「ん?何だこれ。」


チラシには「フォドス大食い大会」と書かれている。

「大食い大会。開催日は・・・今日か。」


「ちょうどいいじゃん!ゼル、出場してみれば?」

ルーナの目は輝いている。

「優勝は・・・五十万コイン!すげ〜な!記念に出てみるか。」



フォドス大食い大会開催地。


ゼルはすでにエントリーの受付を済ませた。


「見てろ、ルーナ!俺、一番になってやる!」

ゼルは気合いで燃えていた。


その時−。

大きな笑い声がする。

「が〜はっはっはっ!坊主!そんな細っこい身体で食べ物が胃に入るのか!?」

毛むくじゃらの男性。

身長も百九十ほどだが、横幅も広い。

かなりの巨体だった。

「悪いな、坊主!優勝はこのウルフ様がいただいた!」


(このオッサン・・・。何かムカつくな・・・。)


男性はどこかへ行ってしまった。


「エントリーした皆様!間もなく大会が始まりますので、会場の方へおこしください!」

アナウンスが入る。


「ゼル!頑張ってきてね!」ルーナがゼルの背中を押す。



「今回大会に参加するのはこの五名です!」

参加者達は席についた。

ゼルの左には先ほどのウルフと名乗った男がいる。


「さて、大会のルールを説明させて頂きます。今回、参加者に食べていただくのはこのハンバーガーです!」


山盛りに積まれたハンバーガーが五人の前に置かれる。


「このハンバーガーを一番たくさん食べることが出来た方が優勝となります!優勝者には何と・・・五十万コインを贈呈します!」

観客の声が大きくなった。

「制限時間は30分と設定させて頂きます。それでは、始めようと思います。準備は良いですか?それでは・・・・・・スタート!」

一斉に選手はハンバーガーに手を伸ばす。

ゼルも一つ目を口に運ぶ。味わっている暇など無い。

口の中に広がったのは・・・辛み!

「辛っえ〜!!!」

ゼルは喉に燃えるような痛みを感じた。


「このハンバーガー、実はマスタードがたっぷりの激辛ハンバーガーなのです!」


横を見ると、他の選手も喉に手をあてたり、水をがぶがぶ飲んだりしている。

ウルフを除いては。


「が〜はっはっはっ!てめ〜ら揃いも揃って情けねえな!俺はこの程度の辛さなんともねえ!」


現在、断トツでウルフがトップ。

気力でゼルが二位につけていた。


「ウルフ選手速い!既に五つめに手を延ばしています!」


腹は余裕だ。

しかし、辛さのせいで口に運ぶペースは自然と遅くなる。

(どうする・・・?このままだと・・・。)


ゼルは覚悟を決めた。

ウルフを上回るペースでハンバーガーを口に運んでいく!

彼を支えているのは精神力。それだけだ。


「ゼル選手速いです!あと僅かでウルフ選手に追い付きます!」


舌がおかしくなりそうなほど辛い物を連続して食べたため、ゼルは慣れ始めていた。


そして、ついにウルフと並んだ!

今の所ペースはほぼ同じ。先に満腹感を感じた方が負けとなる。


「ばくばくばく・・・。」

(俺の食欲なめんなよ!)


「ばくばくばく・・・。」

(このガキ、やるな!)



互いに一歩も譲らぬ接戦。次第に両者のペースは遅くなってきた。

(このガキ、なんつー胃袋してやがる!)


ウルフの腹はすでにパンパンで、逆流しそうな勢いだった。


ゼルは、飲み込む前に無理矢理次の一個を詰め込んでいる。

個数はゼルの方が圧倒的に上。


そこに、終了の笛がなった。


「おめでとうございます!優勝はゼル選手です!」


ゼルは腹の重さに堪えられず、倒れ込んでしまった。


次回 ブルー教

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