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第三十七話 「ミッション前」

ゼルはゆっくり目を開ける。

(じーちゃんが、ランジの父ちゃんを反政府組織に誘ってたのか?ってことは、天空騎士団の設立者はじーちゃん?)


しばらくして、ルーナも目を開けた。

「ん。ルーナ。どんな記憶だった?」


ルーナの話によると、ランジとランジの父が、ルーナとルーナの兄が住んでいたダンバータウンの森を訪れた記憶らしい。

どうやら、ルーナの兄、カヤとランジの父は親しかったらしい。


「兄さん、すごい楽しそうだった。」

ルーナはぽつりとつぶやいた。



次の日の朝。

ゼルとルーナはランジのいるテントを訪れた。

二番隊隊長バリーと四番隊隊長ポーキーもいる。

そして、見知らぬ女性が一人いた。


「来たな。ゼル。ルーナ。こいつには初めて会うんだよな。」

ランジは女性を指差す。


「コイツはジュリア。天空騎士団の六番隊隊長だ。」

二人は女性に頭を下げた。「・・・よろしく。」


ジュリアからは、とても物静かな女性、という感じがした。


「それじゃあ、適当に席に着いてくれ。」

ゼルとルーナは木の椅子に腰掛ける。


「他の二人の隊長は、どうしても離れられない任務についている。ボルノさん救出はこのメンバーと部下達で実行する。」

ランジは地図を開く。


湖の真ん中に、コフル城と記されている。

「このコフル城にボルノさんは幽閉されている。今の所は殺されずにいるようだが、今後どうなるか分からない。一刻を争う事態だ。作戦実行は明日とする。」

全員頷いた。

「問題は、どうやってこの湖を渡るかだが。」


「んなもん、泳いで渡っちまえばいいだろ!」

ポーキーは言う。

「・・・馬鹿。」

ジュリアが言う。

「んだと?この方法が一番合理的だろーが!」


「君、合理的の意味知ってるかい?」

バリーはポーキーをけなす。


「この湖の水は、強い毒性を持っている。泳いで渡るのは不可能。船も溶けて使えないだろう。」

ランジが説明する。


「どっかに橋とか無いのか?政府の奴らも出入りしないといけないんだから、どこかに橋はあるだろ。」

ゼルは言う。


「跳ね橋はある。しかし、城側からしかそれを下ろすことは出来ない。つまり、跳ね橋は使えねーんだ。」ランジは言う。


「・・・それは、私の魔石の力を使えばよいのでは?」

ジュリアがぽつりという。

「そうだな。その手があった!」

ランジは頷いた。


「ジュリアさんの魔石の力って何?」

ルーナが質問する。

「・・・それはその時になったら教えてやろう。」

ジュリアは微笑んだ。


「城に突入したら、ゼルとルーナはボルノさんがいる所まで突き進んでくれ。城の外ではそれぞれの部下が、城の中では隊長が敵を駆逐する。ボルノさんを助けだしたら、脱出だ。」


「何だ、随分簡単そうだな。」

ゼルは余裕を見せる。


「そう簡単にもいかんぞ。コフル城は、政府の八光の一人、ホークの管轄している施設。ジョーカーと闘ったお前なら八光の恐ろしさが分かるだろう。」


ルーナは目を見開いた。


それもそのはず、ホークはルーナにとって宿敵、兄の命を奪った男だ。


「・・・そうか。ルーナにとってホークは憎むべき男だったか。」

ランジはまるで人の心を読んでいるかのように話す。

「明日は辛いかもしれんが、頼んだぞ。」


バリー、ポーキー、ジュリアの三人はテントをでていった。

「・・・メモリオンはみたな。」

ランジが言う。


「俺のじーちゃんが天空騎士団の創設者なのか?」

ゼルは質問する。


「ああ。レオは素晴らしい人だ。ただ、レオが政府に対して起こした革命戦争の時に俺の母ちゃんが巻き込まれて命を落とした。そのせいで親父はレオを憎むようになり、ついには政府に入っちまった。」

ランジは言った。


「じーちゃん、他人から結構恨みを持たれてたんだな。」


「人の上に立つ限りは、恨みを持つ奴も必ず現れる。だが、今天空騎士団にいる奴らは全員レオを尊敬しているぞ。」

ランジは言った。


「それとルーナ。お前の兄と俺の親父は、歳は離れているが仲は良かった。カヤが死んだと聞いたとき、悲しんでたぜ。」


ルーナはちょっぴり嬉しそうな顔をした。

「あの記憶を知ったからといってどうなるわけでも無い。ただ、真実を知ることも大切だと思うぜ。」


ランジは笑った。

「明日は頼む。俺達の力だけではボルノさんを助けられないかも知れないからな。」





とある地−。

洋館にて政府の極秘の話し合いが行われた。

「ジョーカーさんがやられたのは予想外でしたが、どうにでもなります。リデューさん、あなたに少年と少女の件、任せました。」


政府の指揮官、ダイオが言う。

「俺はあのガキともう一度やり合いたくてうずうずしてんだが・・・、あそこはホークの管轄だろ。どうしたんだ?」


「ホークさんには緊急の任務をやってもらっています。一時的に、コフル城をリデューさんに任せます。」リデューは笑みを浮かべる。


「あのガキに教えてやるぜ。あの時の闘いはただのマグレだったってことをなあ!」













リデュー動く!

果たして、ゼルと闘うことになるのだろうか。


次回 ミッションスタート!

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