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第三十二話 「獅子の技」

魔石紹介 タウロス−現時点でジョーカーの持っている魔石。闇属性の棒。圧倒的な闇の力に加え、今回、新たな能力が明らかに!

「救世の魔石と通常の魔石の最大の違いは何だか分かるか?」

ジョーカーはゼルに問う。

「その最大の違いは、救世の魔石自体が生命だということだ。」


「生命?」


「ああ。魔石研究者によって生み出された生物・・・それが救世の魔石。」


タウロスから、今までとは少し感じの違うエネルギーが発生する。


「救世の魔石の使い手はその生命の持つ魔力をかりることが出来るのだ!」


ジョーカーの周りを奇妙なエネルギーが包む。

「タウロスは闇魔王の騎士。力を借りると私は一時的に自我を失うのだが、貴様を倒すためだ。やむを得ないだろう。」


ジョーカーの姿はどんどん変化していく。

顔のピエロの化粧は剥げ、顔中に入れ墨のようなものが入る。


「これがタウロスの真の力ダ・・・。」

目は白目を向いている。


「アイツ、やっと俺様の人格を使ったナ。」


目の前にいるのはジョーカーではない。


「お前、一体何者だ!」


「俺はタウロス。ジョーカーの身体の支配権は俺様に映っタ!」


ゼルはタウロスと距離をとる。おそらく、一瞬でも隙を見せたら殺される!


「何々・・・。俺様の相手は死にぞこないに若い女カ。つまらねぇ闘いだナ!」ゼルはレオを投げ付ける。

しかし、タウロスは右手で軽々とそれを掴むと放り投げてしまった。

「そんなもの効くカ。今の俺様はジョーカーでは無イ。タウロスなのダ!」


タウロスはルーナの方に走り出す。

ゼルは防ごうとするが、力が入らない。

「サンダーウィップ!」


雷の鞭がタウロスを狙う。しかし、タウロスの身体は闇になり、攻撃を無効化した。


タウロスの闇の剣はジョーカーの時より巨大化していた。その剣で、ルーナを吹き飛ばした。

「かはっ!」

ルーナは壁に身体を打ち付け、意識を失う。


「俺は紳士だからナ。女は殺さねえように気をつけてんダ!」

タウロスは次はゼルを狙う。

「お前は殺してもいいんダ!」



ゼルの身体を、闇の剣が貫いた。





ゼルは目を開ける。

辺りは一面の暗闇。

ゼルには何が起こっているのか全く理解出来ない。

「あれ?俺、確かジョーカー・・・いや、タウロスと闘ってたはず。ここは一体どこだ?」


「ここは、テメーの精神の世界。俺が強制的に引きずりこんだんだ」

闇から現れたのは身体に炎を纏った隻眼の獅子。


「な・・・なんだ!このライオン!」


「ったく。不本意ながらテメーに力を貸してやってるってのにその言い方はねーだろ。」

獅子の炎はメラメラ燃えている。

鋭い爪と牙。

片目は傷で失っているが、ものすごい眼力を放っている。


「お前、まさか・・・。」


「やっと気がついたか。俺の名はレオ。お前の武器である鎌だ。」


レオは、ゼルの祖父が作りだした救世の魔石。

もし、先程ジョーカーの言ったことが本当なら、これがタウロスと同じ生命ということになる。

「お前がじーちゃんから生み出されたってことは、お前は俺の叔父さんかよ!」

「馬鹿言うな!何で俺がテメーの叔父さんにならなきゃならねーんだよ!」

レオは牙をむき出す。


「ったく。テメーは俺の力を使ってて何でタウロスの雑魚に負けてんだよ!」


「は!?雑魚って・・・。お前もアイツも救世の魔石じゃねーのかよ!」


「一緒にすんな。救世の魔石にも優劣はある。タウロスなんて最弱だぜ。」

レオは炎を荒らげる。


「テメーは普通の人間よりも強いみたいだから力貸してやってるがな!あんまり不甲斐ない真似してっと犬死にさせるぞ!」


(コイツ・・・魔石のくせになんでこんなに態度がでけーんだよ。つーか、俺は今までこんな奴を使ってたのか。)

ゼルはイライラを抑えて言った。


「ってかやべえ!早くしねーとルーナがあぶねえよ!俺をもとの世界に戻してくれ!」


「大丈夫だ。精神の世界では時間の流れが違う。一秒がもとの世界の一時間程度になっている。」

レオは落ち着き払っている。コイツは、ゼルの仲間がどうなろうと関係無いのだろう。

「俺はお前が死のうが構わねえ。だが、あのタウロスの野郎に負けるとなると話は別だ。俺のプライドが許さねえ。てめえに力を貸してやる。」


「力だと?」


「ああ。獅子の牙は全てを砕く。獅子の爪は全てを斬る。獅子の目は全てを射殺す。お前の身体にそいつをくれてやる。」


「獅子の力・・・。」


「いいか?ここまでしてやって負けたら承知しねーぞ。俺はタウロスみてえにお前の身体に憑依なんてしたくねーからな。」



「俺が最強!俺が支配者!俺が全てダ!」

タウロスは興奮していた。

「さて・・・ジョーカーには悪いが、この身体はしばらくの間頂くカ。魔石の姿のまま身動きが取れないのは退屈なんでナ。」


タウロスはルーナに闇の剣を向ける。

「後始末!」



次の瞬間、タウロスの身体は凍り付いた。

(この殺気!まさか、あいつなのカ!)


タウロスは急いでゼルの方を向く。


ゼルの身体には、レオの炎が同化していた。

左手に同化している炎は、獅子の爪の形をしている。両足の炎は獅子の足。


そして、右手はレオ。まるで獅子の爪。


「まだ終わりじゃねーぞ。俺にはまだ、希望がある!」













ゼルの新技、獅子融合。

タウロスの力に打ち勝てるか!


次回 決着!

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