表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/60

第三十話 「闇の恐怖」

もう少しで、ジョーカーとの闘いが全て完結します。

ジョーカーのタウロスの真の力。それは、自分自身を闇にすることだった。


「ゼルさん、分かりましたか?あなたが私に勝てない最大の理由が。」

ジョーカーはタバコを吸っている。


(落ち着け!冷静に考えたら全ての攻撃が効かないなんてありえねーだろ。もし、本当にそんな力があったら幹部レベルのわけがねー!とっくに天下とってるっつーの。)


ゼルはレオを降る。

「あなたも分からず屋ですね。私にはあなたの攻撃なんて効かないんです。」


ジョーカーの周りに闇属性エネルギーが発生する。


闇は棒の周りに集まっていき、剣の形を作った。

「あなたを剣で殺す。そのことがリデューにとって最大の屈辱でしょうねぇ。」

「リデューだと?」


「ええ。私はあの男が嫌いなんですよ。あの程度の実力で政府の不死鳥と呼ばれているのが理解出来ない。あなたのような子供に負けたあの男が!」


ジョーカーは闇の剣をにぎりしめる。

「私はあの男に絶望を与えたい!あの男が救世の魔石を持っているのが許せない!」


ジョーカーの闇の剣の色がどんどん邪悪な黒になっていく。


「闇属性の力は憎しみ・妬み・敵対心。それら負の感情により強くなっていく!」


「っつーか随分一方的な恨みだな。アイツがお前に何かしたわけでもないんだろ?」


「黙れ!ガキ!」

ジョーカーの態度は豹変する。

「存在自体が気にくわない。そういう人間もこの世にはいるのだ!お前のようなガキに何が分かるというのだ。」


ジョーカーは一瞬でゼルのもとに来る。

闇の剣で斬られた。


血はでないが、さっきまでの闇玉の痛みが強くなったようだ。


「ぐああ!」


「闇の剣は斬った相手の精神を喰らう。肉体的外傷は無いが、精神的外傷は相当な物だろう。」


ゼルは痛みを堪えた。

(絶対に弱点はあるはず・・・。無敵の力なんてあるはずが無い!)


「闇の剣を通じて貴様の痛みが伝わってくるぞ!」


ゼルはレオを投げる。

「焔龍!」

レオは二つに分かれ、炎の斬撃がジョーカーに襲い掛かるが、ジョーカーの身体は闇エネルギーに変わり、無効化される。


(弱点はあるはず・・・。)

ジョーカーはゼルの目の前にまでワープしてくる。


「影という闇が有る限り、貴様は私から逃れられんのだ!」


ゼルは闇の剣に斬られた。「ぐあああああ!」


ゼルの身体は限界だった。一度痛みを消し去る薬を飲んだのに、これほどのダメージが来ているのだ。


足元もふらついている。

「くそ。傷もほとんど無いのに・・・。」


「やはり、救世の魔石を使おうが、小僧では駄目だな。真の使い手が手にしてこそ、真の力を発揮出来る!」


ゼルはレオにバーストのエネルギーをためる。

(まだだ。まだ、チャンスはあるんだ!諦めるな!)

「まだやるのか。私には効かないと言っているだろう。それでもお前は。」


ゼルはバーストを放つ。

ジョーカーは完全に余裕だ。



「がはああああっ!」

ジョーカーは声をあげる。何と、ゼルの攻撃が命中したのだ。


「な・・・、何故だ!私の闇の力が何故・・・。」


ゼルにも、何が起きたのか分からなかった。


「そうか・・・。先程貴様が吸収に失敗した闇の力!あれがかすかに貴様の体内にエネルギーとして残っていたのか!私の闇と同化することによって、私にダメージを与えたと言うわけか。」


ゼルは膝を床についた。

息が荒い。

意識もかろうじて保っている状態だった。


「しかし、今のバーストで闇の力は使いきったであろう。つまり、今度こそ貴様の勝機は消えたということだ!」


ジョーカーは闇の剣の周りに闇を纏わせる。

「この一撃で貴様は命を落とす。闇は貴様の体内に侵入して、身体中の器官を破壊しつくすのだ。」


ゼルはゆっくりと立ち上がる。

「俺は・・・がふっ!お前を許さねえぞ。」


「ほざいていろ。貴様にどう思われようが構わない。」


ゼルはひそかにバーストのエネルギーを溜めていた。

ゼルはバーストを放つ。

しかし、闇になったジョーカーにはなんの効果も無かった。


「言っただろう。先程はたまたまだ。もう私に攻撃が届くことは無い。」


ジョーカーは闇の剣を振り下ろす。

「があああああああああ!」


ゼルはそのまま倒れた。


「所詮、私の前に敵などありはしない。まぐれとはいえ、私に一撃を与えたことは評価してやろう。」



その時だった。

ジョーカーの背後に、アデムが立っている。

しかも人間の姿で。


「ゼル君が命をかけてるんだ。僕だってがんばらないとね。」

アデムの右手には風の刃の刀。まだ効果は持続しているようだ。空は曇っている。雲が月を覆い隠したせいで、アデムはもとに戻れたのだ。


「アデムが復活したか。しかし、一人で何が出来ると・・・、」


「一人じゃ無いよ。」

ガラスを破壊して、ルーナが飛び出てきた。

「私の大切な仲間をよくも・・・。絶対に許さないわよ。」


ジョーカーは言った。

「救世の魔石を持っている小僧でさえこのざまだったのだ。貴様らなど相手にならんわ!」


「どうかな?僕だって、やれば出来るよ。」


「あなたの行為は最低よ!」













まだ希望の火は消えていない!

アデムとルーナは、ジョーカーに刃を向ける!


次回 希望

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ