第二十九話 「ゼルVSジョーカー」
最近、一日に二話投稿が増えてきました。文が雑にならないようにがんばりたいです。
ゼルとジョーカー。
二人の救世の魔石の使い手が激突する!
「いくぜ!ジョーカー!」
「私には勝てませんよ。なぜなら経験値が違う。」
ジョーカーはタウロスを軽く降る。
闇属性のエネルギーが現れる。
「まずは小手調べ。闇玉。」闇は球形になりゼルに向かって真っ直ぐ飛んできた。
「そんなもん打ち返してやる!」
ゼルは鎖の部分を使わず、鎌の部分を持つ。
レオと闇玉が衝突する!
と思ったが、闇玉はレオをすり抜けた。
ゼルはぎりぎりのラインで闇玉をかわす。
「なんだ!今のは!」
「今の闇玉は、人体だけに命中するように指定してあったんですよ。あなたにそんな真似は出来ないでしょう。それが、経験値の差です。」
ジョーカーは余裕の表情だ。
「・・・くそ!そんなことまで出来るのか!それなら今度はこっちから!」
ゼルはレオを投げ付ける。「甘いですね。ブラックホール!」
レオは闇の中に吸い込まれていく。
「な・・・!」
ゼルは戸惑う。
いきなり背中に痛みが走る。
後ろを向くと、球形の闇があり、そこからレオの鎖が伸びていた。
ジョーカーに投げたはずのレオがゼルに刺さってしまったということだ。
「ブラックホール。闇の中は異次元のようになっていて、別の闇に一瞬でワープ出来る。」
「つまり、俺の背後にあらかじめ闇をつくっておいて、俺がレオを投げるのを待っていたって訳か。」
「その通り。これも、闇の性質の一つに過ぎませんよ。」
ゼルは闇が周囲に現れていないのを確認して、再びレオを投げた。
しかし、ジョーカーの姿は消えていた。
「?一体どこに・・・?」
地面からジョーカーの腕が現れ、球形の闇を放つ。
ゼルはそれをくらってしまった。
「ぐああ!」
体内の器官が破壊されていくような痛み。
「闇は、外傷では無く体内に侵入し、神経や血管にダメージを与える。」
ジョーカーが地面から現れた。
「何だ・・・それは。そいつも闇の力の一つなのか?」
「いかにも。私はあなたの影を踏んでいました。影も闇の一つ。一瞬であなたの所にまでワープしたわけですよ。」
「なるほどな。昨日闘った時につかったのもその技ってわけか。」
ゼルは顔は笑っていたが、心の中では焦っていた。
(ヤバイ・・・。まさかジョーカーがここまで強いとは思わなかった。今までの連中とは次元が違う!)
ジョーカーは闇を発生させる。
「さて、どこまで楽しませてくれるでしょうか。」
闇玉を一度に三発撃ち込んできた。
「防げないなら吸収するまでだ!」
ゼルはシールドフレイムの構えをとる。
「クイーン戦で使った相手の技を吸収する技。面白いですね。」
ゼルは三発とも吸収する。「どうだ!これで・・・!」
いきなり激痛がゼルを襲う。先程の闇攻撃を受けた時と同じ感覚だ。
「が・・・!何で・・・。」
「あなたは闇の力を吸収するには純粋すぎるようですね。闇属性の力は心に多少の汚れがある人間でないと使えない。」
足元がふらつく。
まだ二発しか受けていないが、かなりのダメージだった。
ゼルはあらかじめアデムからもらっておいた薬を飲み干す。痛みは引いていった。
「その薬は・・・。いいんですか?痛みを感じなくなるだけで、かえって体に危険ですよ。」
「構わねえさ。お前を倒せるんだったら何だってしてやる。」
ゼルはレオをジョーカーに投げる。しかし、また影のワープにより一瞬でゼルの目の前へワープした。
闇がゼルの体に命中する。「があああっ!」
ゼルは床に膝をついた。
「ふ・・・終わらせてあげますよ。闇に消えなさい。」
今までの数倍の大きさの闇玉。これをくらったらゼルの体は消し飛んでしまうだろう。
ゼルはバーストのエネルギーを溜めている。
エネルギーが溜まり終わる前にジョーカーが攻撃を仕掛けてきたらゼルの負けだ。
「さあ!これで終わりです!」
ジョーカーは闇玉をゼルに向けて発射する。
直前にエネルギーが溜まりきった。
ゼルは地面に向かってバーストを発射する。
反動でゼルの体は吹き飛び、ジョーカーの攻撃をかわすことが出来た。
「ほう。火事場のクソ力にしてもたいしたものですね。」
ゼルは再びバーストのエネルギーを溜める。
「ジョーカー。確かにお前は強い。今の俺なんかじゃ相手にならないかもしれない。だけど俺とお前じゃ覚悟が違う。」
「次は、何を見せてくれるのですか?あなたはいまだに私にダメージを与えられていませんよ。」
ゼルはジョーカーに突っ込む。
「な・・・。自殺行為ですか。それなら、私はあなたを永遠の闇に葬りさってあげましょう。」
(バーストのエネルギーをためた状態からじゃ他の攻撃は出来ねえ!だから俺はこうするんだよ!)
ゼルはレオを放つ。
「な・・・。エネルギーをためれば他の攻撃は出来ないと思っていましたが・・・。」
「コイツは他の攻撃じゃないぜ!」
ゼルは二つに分かれた。
「な!まさか!」
「くらえ!ダブルバースト!」
二方向からのバーストが同時にジョーカーの肉体を貫く。
「コイツは焔龍とバーストの融合技だ!さすがのお前も防ぎきれな・・・・・・!」
ジョーカーの身体は、闇属性エネルギーになっていた。
「ジャックに聞きませんでしたか?私自身が闇になることができると。」
ジョーカーは無傷。
「な・・・。それじゃあ、お前に攻撃は効かないってのか?」
「ああ。私は全ての攻撃を無効にできるのです。」
ついにタウロスの能力が明らかに。
絶望的な状況の中、ゼルはどう立ち向かうのか!
次回 ジョーカーの恐怖