表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/60

第二十七話 「幻想箱9 FINAL」

今話のゼル対ジャック、本当はもっと長くするつもりだったんですが、その後の展開のことを考えて少し短めにしてみました。 ただ、話の長さはいつも通りですよ。

ゼルとジャックの闘いは長引いていた。

二人の今のところの闘いはほぼ互角。両者共に決定打が与えられずにいた。


ゼルはゼルを天井に向かって打ち上げた。


「お前、何してんだ?」

ジャックは聞いた。


「宣言する!俺の次の一撃でお前は負ける!」

ゼルは自信ありげに言った。

「何ぃ?一撃で俺を倒すだと?」

天井に投げられたレオは空中で停止している。


レオが突然光を放った。

光はレオの中心に集まっていく。

「ものすごい量のエネルギーだ。俺を一撃で倒すってのもあながち冗談じゃ無いか。」


「レオの七ツの技の一つ、バースト。コイツはめちゃくちゃ威力が高いんだけど、エネルギー溜めるのに時間がかかるんだ。だから、その隙に俺に攻撃すりゃアンタの勝ちだぜ。」


ジャックは大笑いした。

「ギャハハ!面白いガキだな!俺が姑息な手が嫌いなのが分かったのか?面白いから、俺も全力で対抗するぜ!」

ジャックの体がみるみるうちに赤くなっていく。

「俺は、ジョーカーの野郎に肉体改造をしてもらった!」

ジャックの筋肉は肥大化していく。

「コイツを敵に見せるのは随分久しぶりだな!誇りに思え!」


二人は自分のエネルギーが溜まるのを待つ。



長い沈黙の後、二人はほぼ同時に動いた。

レオからバーストが放たれる。

バーストは炎のエネルギーの塊のような物らしい。

光線のように一直線にジャックを狙う!

対するジャックはバーストに拳を入れた。

どうやら、バーストをゼルに弾き返す作戦らしい。


二つの強大な力がぶつかり合った衝撃で、フロア内の壁に亀裂が走った。



ゼルのバーストの方が一枚上手だった。

ジャックはバーストの直撃を受けて体が吹き飛び、壁に体を打ち付けた。

対するゼルは無傷。


「俺の勝ちだな。」

ゼルは拳を上にあげる。

「ふっ。お前やるなあ!俺が負けるなんて随分久しぶりのことだ。」

ジャックは床に尻をついた。


「早く行った方がいいぜ。アンタの連れの剣士、先にジョーカーの所に行ったみたいだぜ。」

「分かった。お前ってジョーカーの手下だけど、悪い奴じゃ無いみたいだな。」

ゼルは階段をのぼろうとする。

「そうだ!待て。俺を倒した褒美をくれてやる。」

ジャックはゼルを呼び止める。

「褒美ってなんだよ。変な物はいらねーぞ。」


「ジョーカーの能力について知りたくないか?」

ジャックは言う。


「教えてくれるのか?」


「ああ。お前らの勝ち目は限りなくゼロに近いんだ。これくらいいいだろ。」

ジャックは一息ついて話始めた。


「ジョーカーの持っている救世の魔石はタウロス。闇を司る魔石だ。」


「闇?どういうことだ?」


「タウロスは闇属性の棒。能力は振った所に闇を引き起こす、という力なんだが奴は自分自信を闇に変えることもできる。」


「・・・意味分かんねえ。つーか何だよそのラスボスじみた能力は。」


「俺だってそこまで詳しいわけじゃねーよ。一回だけジョーカーと手合わせした時に見ただけだ。俺の知っている知識で言うと、闇の中に引きずりこまれた物、又は者は分解されちまうってこと。それと、奴は自らの影をも自在に操れるってことだ。」


「ますます分かんねえ・・・。弱点は何なんだ?」


「そんなことまで分かってたらとうの昔に俺が倒してるよ。」

ゼルは呆れた。

結局、ジョーカーの能力が闇であるということが分かっただけだ。


「考えてても仕方ねえ!弱点は闘ってる最中に見つけるしかねーな!」


ゼルは階段をあがっていく。



パンドラボックス最終フロア−

と書いてある。ゼルは勢いよくその扉を開けた。


「ジョーカー!ルーナはどこ・・・!」

ゼルは目を疑った。


傷だらけのアデムが倒れている。

ジョーカーは椅子に腰掛けていた。


「ゼル君・・・すまない・・・。」


「てめえがアデムをこんなにしたのか。」

ジョーカーは頷く。


「いかにも。ただ、少々弱すぎてつまらかったですがね。」


ゼルの耳にルーナの声が聞こえる。

「ゼル!アデムさんが!」


ゼルが声のする方を振り向くと、そこにはルーナがいた。

透明なガラスケースのようなものの中にいる。


「ジョーカー!ルーナを離せ!」


「それは無理な相談ですね。勝負は賞品が無いとつまらない。」

ゼルの怒りは頂点に達していた。


「俺に負けたら、ルーナを解放すると約束しろ。」


「もちろん、そのつもりです。それが、賞品というものだ。」


ゼルはジョーカーに気づかれないようにバーストのエネルギーをためていた。


バーストを放つ!

光線はジョーカーの体を貫通した。



しかし、ジョーカーの体は黒い気体のような物になった。

「私には効きませんよ。何せ闇ですから。」


ジョーカーは不敵な笑みを浮かべる。


「それより、そろそろですよ。上を見てください。」

ゼルは上を見た。


このフロアには天井がついていなかった。

満月が見える。


「?これがどうしたんだよ。」

ゼルは理解が出来ない。


「アデムさん。思い出しましたよ。あなたのこと。そして今日は満月だ。」



アデムの体は震えている。

「おい、アデム。お前どうしたんだ?」


「逃げる・・・んだ・・・早く!」



アデムの体が少しずつ大きくなっていく。

爪は伸び、牙も生えてくる。

体中に毛が生えてきた。


「ゼルさん、あなたにはこの男と闘って頂きます。」


変化したアデムの姿はまるで狼男のようだった。


「アデムさんは満月の夜だけ人狼に変化するんですよ。」


次回 人狼アデム

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ