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第二十話 「幻想箱2 PINCH」

魔石紹介 アイアンデビル−ルーナの魔石。とげつきのムチ。アリエスの練習用のため性能は低いが、ルーナの魔法と組み合わせる事で絶大な効果を発揮する。

パンドラボックス一階、「作られたジャングル」−


ゼルとアデムが乗っていたボートは転覆し、二人は水面に投げ出されてしまう。

魚達は、一気に二人に襲い掛かる!

ゼルは、レオを発動し魚を退けようとするが、水の中では自由に動けないうえに、炎を放つことも出来ない。まさに、絶体絶命の状況だった。

なんとか、鎌を振り回し魚を追い払おうとするが、魚は怯む気配がない。

(やべーな。数匹ならともかく、魚の数が多すぎる。そういえば、アデムの奴はどうしてるんだ?)

ゼルはアデムの方を向く。

アデムは、水中にいるとは思えないほど、機敏な動きをしていた。刀で、魚達をみるみるうちになぎ倒していく。

ゼルが息継ぎをしに川から顔を出し、再び顔を入れると魚の数は数匹にまで減っていた。

(まさか・・・、あの刀を持っていると、どんな状況でも素早く動けるのか?)

魚は牙を剥き出しにして、何とかアデムに噛み付こうとするが、軽々と避けられてしまう。どうやら、魚よりも速く泳げるらしい。


魚は後三匹−

アデムと妖刀・虎鉄のコンビは強かった。


三匹が一斉に飛びついて来たところを一斉に斬った。


二人は、魚がいた位置から離れ、陸に上がった。


「はあ〜っ!疲れた。ボートがジョーカーの罠だとは思わなかったぜ。」

ゼルはポケットに入っていたタオルで濡れた体を拭く。

「まだ、入り口が見えるね。結構頑張って泳いだつもりだけど、以外と進まないものだな。」

アデムはため息をつく。

二人が陸を使って先に進もうとしたその時だった。


うおおおおん!!

獣が叫んでいるようだ。

「まだ結構合成生物がいるみてーだな。できるだけ敵に遭遇しないようにさけて行くか。」

ゼルは歩き始める。

「ちょっと待って!地面が何かおかしい!」

アデムは呼び止める。

「地面?何がおかしい・・・!」


ゼルも異変に気がついた。足が地面に埋まってしまって動かせない。

「なんだこりゃ!体が沈んでいく!」


最終的に、太ももの辺りまで沈んでしまった。

何とか先に進もうともがくが、少しずつしか動くことが出来ない。

「これもトラップの一つか。まんまと、ジョーカーの作戦にはまってしまっているね。」

アデムは足を少しでも動かそうと悪戦苦闘している。この状態では通常の半分程度のスピードでしか動くことが出来ない。


「まずいな・・・。この状態で敵に見つかったらアウトだぞ。」


悪い予想は見事に的中した。ぞろぞろとジョーカーが作ったと思われる動物が現れる。

その数、およそ五十。

ゼルとアデムのコンビでは、倒すのはそう難しくない。しかし、それは万全の状態での話。さすがの二人も体を満足に動かすことが出来ない状態で五十近くの敵を倒すのは至難の技だった。

「おい、アデム!この状況、どうする?」

「まずいね。倒すにしても、この状態では・・・。」

思わぬ獲物を見付けた動物達は、興奮している。

万事休すか−。

動物の一匹がゼルに飛び掛かる。


しかし、動物は突然現れた何かにぶつかり、のけ反った。


それは、身長ニメートルほどの巨大な男。

ジョーカーの仕業だろうか、右腕にガトリングガンのような物がついている。

おそらくこの男が、ジョーカーの言っていたエースだろう。


「がああ!」

エースは雄叫びをあげる。もはや人間としての思考を失ってしまっているようだ。

エースは左腕で動物を次々に投げ飛ばす。

一匹の動物がエースの足に噛み付く。しかしエースにはまるで聞いていないようだ。

エースはガトリングガンを放つ。それに動物達は驚き、散り散りに逃げていった。




「まさか、助けてくれたのか?」

アデムが言う。

「バカ!そんなわけねーだろ!こいつもジョーカーの手下だぞ!」


エースはゆっくりと右腕をあげる。

そして、ガトリングガンの銃口をゼルに向けて来た。

「ほらな。コイツは闘いを楽しんで・・・!」


銃声が響く。

ゼルは何とかレオで弾を防いでいる。

「がああ!」

エースは奇声をあげながらガトリングを乱射する。


銃声が止まる。どうやら、弾が切れたようだ。

(今だ!!)

ゼルはタイミングを見計らい、ゼルを投げ付けた。

「焔龍!」

鎌が二つに別れる。この攻撃を防ぐのは難しいだろう。


エースは、両手を左右に突き出し、レオを受け止めた。

「嘘だろ・・・!」

ゼルはエースの身体能力に、驚きを隠せなかった。

炎に触れているのに、エースは顔色ひとつ変えない。

「もしかしたら、ジョーカーの実験で痛覚を消されているのかもしれない!何にしろ、状況はさらに悪くなったね。」

エースは徐々にゼルに近付いてくる。

足が地面に埋まっているゼルには、逃げる術がない。

エースの拳が飛ぶ。ゼルに直撃し、体が吹っ飛んだ。「ゼル君!」

エースは方向を変え、今度はアデムを殴りとばした。アデムの体も同様に吹っ飛んだ。


エースは、その場を離れようとする。

倒したと思い混んでいるのだ。

ゼルが吹っ飛び、砂煙がたっている場所から、鎖鎌が飛んできた。


レオはエースの顔面に直撃した。

「がああああああああ!!」さすがに少し効いたようだ。エースは鼻息を荒らげる。


「ふっ!足は抜けたぜ!これで全力で闘える!」


「僕の力を、見せてあげるよ。」












エースに吹っ飛ばされたことにより足が抜け、自由に動けるようになった二人。

闘いは続く!


次回 対エース戦

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