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第十八話 「狙われたルーナ」

まさかの一日に一挙三話連続投稿!さすがにつかれました(笑)

夜のバナナタウン−

街灯も設置されておらず、辺りがよく見えない。


ルーナとアデムは数十匹の合成生物に囲まれていた。襲い掛かってくる合成生物を、ルーナはムチに雷を纏わせ、アデムは刀で倒していく。


「ほお、そちらのお嬢さんは魔法が使えるのですか。それに黒髪のあなたが持っているその魔石は妖刀虎鉄ですか。面白い。」


獰猛な性格の生物達は、一度攻撃を受けただけではへばらない。

罪の無い動物を殺すのは気が引ける二人は、殺さないように闘っているたむ、余計そう感じた。


時間が経つにつれて、二人の表情には疲れが現れ始めた。

しかし、動物達は相当ダメージを受けているはずなのに、まだ半分も残っている。

もしかしたら、痛みを感じなくなる薬を投与されているのかも知れない。

ルーナが放つ雷がだんだん小さくなってきた。


「今のあなた達ではこの下僕達は倒せないでしょう。」


さらに時間が経過する。

一瞬、ルーナの気が緩んだ。それを見計らったかのように動物がルーナに襲い掛かった。

「きゃあっ!」

ルーナは角の生えた動物に突進され、吹き飛んだ。

気絶してしまったようだ。

「ルーナさん!」

アデムはルーナの方を向く。しかし、動物の牙がアデムを襲う。

アデムも地面に倒れた。かろうじて意識は保っているものの、戦闘はもう不可能だった。


「残念でした。後少しだったのにねぇ。下僕は後十体。あなたにもう闘う力は残されていないでしょう。」ジョーカーは満足そうに笑う。

動物達が、アデムを食べようとしたその時だった。



「ギャン!」

暗闇から鎖鎌が伸びてきて、動物を一体吹き飛ばした。

ジョーカーは何が起きたのか理解出来ず、鎌が出現した方を見ている。


ゼルが現れた。

「やれやれ。仲間を探しに来たら、とんでもないことになってんなこりゃ。」

ジョーカーはしばらくゼルを見つめた後、ニヤッと笑った。

「お前がリデューを倒した奴か!やっと出て来てくれたな。」

「誰だよお前。なんで俺がリデューを倒したこと知ってんだ?」


倒れていたアデムが口を開く。

「ゼル君・・・。あいつが、八光の一人ジョーカーなんだ。」


ジョーカーは再び口笛を吹く。一斉に動物がゼルに襲い掛かってくる。

しかし、ゼルは動じず、地面にレオを突き刺す。

「見てろよ。これが二つ目の技、メラ・スピアだ。」

地面から炎の柱が数本現れる。二匹がそれを受け、そのまま倒れた。

攻撃を直接受けなかった八体も、炎を恐れて近付けない。

「どうだ!これでお前のボディーガード達は何の役にも立たないぜ。」


しかし、ジョーカーはいたって平然としている。

「ボディーガード?君は何か勘違いをしているようですね。この生物達はあくまで下僕。まさか、私が動物に頼っていて、実力はたいしたことはないと思っているのですか?」

ジョーカーは動物達を待機させる。


「やるのか?俺は強いぞ。」ゼルがそういった瞬間。


背後にジョーカーが立っている。

「てめえ!いつの間に・・・ガハッ!」

ゼルは何が起きたのかも分からず、突然の衝撃に地面に倒れた。


「その程度の力なのですか?つまらなすぎる!」

ジョーカーはゼルを蹴り飛ばす。

「てめえ・・・。今、何しやがった。」


「それが分からないのではまだまだですね。」

ジョーカーはルーナの方に歩いて行く。

「待て!ルーナに何をするつもりだ!」

ゼルは必死に立ち上がろうとするが、体が動かない。

「あなたに再戦のこのチャンスをあげましょう。この娘はあずかっておきます。あなたが娘を助けようと思うのならば、国立総合研究所まで来なさい。私がちょっとしたゲームを用意しておきます。あなた達が敗れたら、この娘ね命は無いものと思いなさい。」

ジョーカーは闇に消えていく。

ゼルの意識も、だんだん遠退いていった。





ゼルは、鳥のさえずりで目を覚ました。

一瞬、自分がどうして道端に寝ているのか理解が出来なかったが、すぐに昨日のことを思い出した。

「そうだ!ルーナ!」


「少し落ち着くんだ。」

隣にアデムが佇んでいた。「まさか、ジョーカーがあそこまで強いとは知らなかった。これでは僕達に勝ち目は無いに等しい。」


「不可能かも知れねーけどやるしかねーだろ。仲間がピンチなんだ。」

ゼルは立ち上がるが、腹部に受けた痛みで、すぐに座り込む。

アデムに渡された薬を塗ると痛みが退いた。

「いいかい。昨日の闘い。ジョーカーは君の背後に一瞬で移動し、一撃を与えた。」

「ああ。ってことは、奴は超高速移動の能力を持っているってことか?」

「それなんだが・・・。奴からは何か妙な感じがした。高速移動したというよりも、ワープしたような感じだ。」

二人はしばらく考えこむ。

「やっぱり、ここで考え混んでいても仕方がねえ。今すぐ研究所に乗り込んで、ルーナを助け出す!」

「・・・そうだね。実際にジョーカーともう一度闘って見れば、奴の能力について分かるかも知れない。」

二人は国立総合研究所に向かって歩きだした。












ゼルとアデム、そしてルーナに待ち受けている闘いとは!


次回 パンドラボックス

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