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プロローグ
「ここ」とは違う世界−
そこには荒れ果てた砂漠が延々とつ続いていた。
この世界に住んでいた全人口の八割は、政府が保管していた兵器の暴走により、命を落とした。
その兵器は、一瞬にして
森を砂漠に、街を荒れ地に変えてしまった。
政府の人間の大半も死亡し、世界は闇に包まれた。
瓦礫から音がした。
十数名の人間が、瓦礫からはい上がってくる。
そのほとんどは負傷していた。
「・・・この街で生き残れたのは、我々だけか・・・」
「仕方ねーだろ。この魔石を持ってたのは、俺達だけだ。」
男の手には、綺麗に光る石が握られていた。
「これからどうする?俺達は悪政を行っている政府を倒すため、魔石を作った。政府も消え、人々もほとんどが死んだ。」
この中で最年長と思われる老人が口を開いた。
「全てのに人間が命を落としたわけではない。まだ再生の道はある。我々は、世界が再生するまで、魔石で人々を救うのじゃ。」
そして、生き残った十二名は、魔石を作りつづけた。
しかし政府の所持していた兵器をも越える力を持つ魔石が、平和のための道具になることは無かった。
そして、400年後−