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 宗次郎と海音寺は連れ立って越中射水に向かった。そこに件の葉山厳顔と、赤城家先代紅がいるからである。まずは道すがらに立ち寄った温泉で二人は汗を流す。海音寺の前で裸になった宗次郎の胸には大きな傷があり、また、男性器もなかった。

「おぬし、宗次郎とか言ったか。女なのか?」

「かつてはな」

「その胸は?」

「剣術には不要故切り落とした」

「なんとむごいことをする……」

「この身は修羅。女では羅刹になれぬと笑った者もいたが、そのことごとくを殺した。海音寺、お前もその口か?」

 宗次郎の鋭い視線が海音寺を射抜く。海音寺はそれ以上モノが言えなかった。

「これよりわたしは葉山本家に殴り込みをかける。厳顔もそこにいるはずだ。同行するならかまわんぞ? 海音寺の」

「ここまで来て帰れというのは無体であろう。お時と正のためにも、助太刀いたす」

 海音寺は湯につかり、疲れ果てたその身を癒しながら言った。

「それは重畳。では葉山家の家臣の相手を頼む。赤城紅と葉山厳顔にはお主では歯が立つまい」

 宗次郎もまた、玉のように滑らかな腕に湯を滑らせて言った。

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