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異世界の異世界で成り上がり  作者: 猫ニクス
8/22

8→裏

光の消えた魔法陣は薄っなっていき、やがて消えた。


「えっ?不発?」


どこかの誰かが皆の思いを代弁して呟いた。

皆の視線は神に集まる。


「おい、失敗か?ならもう一度発動させればよくないか」

「…………。」


ほとんどの人が困惑の表情を浮かべる中で質問が挙がったが、神は何の反応も見せない。

ーーいや、よく見ればかすかに頬が上がっていた。笑っているのか?


俺は違和感を感じて〈真眼〉を発動させる。

すると、1人。フードを被ったやつが集団を抜け出して離れていく。


集団の中に眼を向けると、そこに本来なら居るはずのないものが混じっていた。


ーー人形。 俺の質問に答えてた奴に似ているが、顔がのっぺりとしていていくつもの目が頭部にある。

うずくまるような体勢でいる為か誰も気付いていない。


「なんだあいつ……」


数は9体。魔法陣の数と一致する。

どうも嫌な予感がしたので、少し人形から離れておく。

丁度その時、神が口を開いた。


「ふぅ。準備は整ったみたいだね」


準備……あの人形のことだろうか。

というか、まだ誰も気付いてないのか?

神は笑みを一層深くして戸惑う俺たちにこう言い放った。


「これより、ゲーム参加の為の選別を開始しまーす!」


皆、状況を理解できていないような顔で神を見上げている。

そして、事が起こる。

召喚された9体の人形の頭部にある眼の全てがカッと見開かれた。


ポカーンとしているやつらをおいて、体勢を低くしながら目立たないようにできるだけ遠くへ離れる。顔見知りのやつもいなかったし、別に、他人に教えてやる義理もない。

それにしても……


「何か裏があるとは思ってはいたが……やっぱ、猫被っていやがったか」


これまでの事が全部嘘か?

そうなると、自分が神だと言うのも疑わしく思えてくる。

……まあ、そこはいい。仮に神だとして、神は何がしたいんだ?


そんな事を考えていると、神は再び口を開く。


「選別、つまりだ。君達の生きる権利をふるいに掛けさせてもらう」

「生きる権利?」

「難しく考えなくていい。僕の出したお題をクリアして生き残ればいいだけさ。もちろん、報酬だって用意させてもらうよ。装備だったり、蘇生だったりね。

そして、君達が賭けるものは、命。

失敗したら死亡が前提のゲームってのが乙だね♪」


神が話している間にも、人形の形態が変わっていき、背中からは触手が伸びてきた。


ーーどこかで見たと思ったら、あいつ、街を荒らしてた奴じゃん?!

というか、あんな化け物がいるのになぜ皆、気がつかない?考えられるのは認識阻害系統の魔法くらいか。


「じゃあ、改めてゲームを始めよう。最初のお題だ」


一呼吸置いて、満を持したようにこう告げる。


「生き残れ、簡単だろ?」


ガッグ、グ、ガアアァァァアアアア!!!!!


その一声と同時に、例の化け物が一斉に動き出した。




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