第1話 触媒
ある男は言った。
いい繁殖牝馬とは、繁殖相手の血統の邪魔はしない=そっくりなのを生む馬だと。
競馬関係者は言う
近代競馬とは、ブラッドスポーツであると。
あるオーナーブリーダーはいう、サンデーサイレンス以外の血統は、時代遅れだと。
あるオーナーブリーダーの父はいう、ノーザンテーストが、日本の近代競馬の成長要員だと。
ある女は言う、サンデー系は品がないと。
あるギャンブラーは言う、サンデーサイレンス系ばっかりだと。
ある生物学者は言う、馬のゲノムなんて大体同じだと。
ある馬はいう、サンデー系は、産みたくないと。
天国にいる三大始祖はいう、このものこそ、新たな始祖のイブだと。
サンデーサイレンスはいう、俺よりもあいつの方が格上だと。
ネイティブダンサーもいう、我が孫ながら恐ろしいと。
タマモクロスはいう、我がライバルだと。
メジロマックイーンはいう、あのひとは、かわいそうだったと。
あるファンはいう、あの馬こそ、突然変異だと。
あるお金持ちは言った、俺が繁栄させてやるぞと。
ある馬の生涯の奥さんはいう、わたくしの夫に相応しいと。
これは、ある伝説の馬が再び伝説となる鐘の音がなるきっかけになる馬のものがたり。
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