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ビッグバン[7]

 だが、地球上で愛を向上させるのに最も適した知能を持った生物、人間ができあがった。人間は知能は他の動物より優れていたが、肉体という面では、食物連鎖の頂点にいる肉食獣に比べると決して優れているわけじゃない。だから協力しないと生き残れないし、道具を使わないと生き残れない。協力こそ男女の愛を超えて、「利他愛」を向上させるのに最も適した行為だった。更に道具を使う事は社会を更に複雑化させ、それにつれて学びの深さも多様性も広がる。そういう意味では初期の人類には「善」しかなかったのだろう。

 そして段々と集団が大きくなってくると、誰かが作ったものを盗む方が楽に生きられると思う個体が出てくる。

 魂の世界──死という負荷のない世界から来てるのだから、肉体を持っても負荷の少ない楽な事を求めるのは当然ですよね、人間は自由意思を与えられているのですから。そこで「悪」の原型が形作られる事になる。

 そして長い長い年月をかけて今の地球になった。

 じゃあ男同士の恋愛、女同士の恋愛、欲望をおさえてセックスをしない聖職者など、いわゆる性的マイノリティー(少数派)は進化の妨げになるのか? という疑問がわくが、それは違います、それでいいのです。形態はどうでもいい。聖職者だけが正しくて、他は悪いなんて言えっこない。どちらも子孫を残せないという点では全く同じ事なんですから。ただ悪に手を染めてはいけません。

 究極の愛に向かって向上できるならば、どの状態だって間違いじゃないんです。

 常識なんていうものは多数者が都合のいいように作り上げたものだからです。

 確かに法律や道徳は集団生活を送る以上大切な概念だと思います。

 しかし、「究極の利他愛」「究極の自己愛」を目指しているという意識がしっかりしていればそれも必要なくなる。

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