受け取った事[1]
この出会いにはこの宇宙論の骨子を形作る全ての要素が入っているのです、お判りですか?
もちろん館主だってすぐにそこまで気がついたわけじゃない、入り口は『驚き』からですが、ずっと自分の人生と照らし合わせてきて、ようやくわかったんですが…。
──まず、心と肉体の関係ですな、感情はあっても肉体が作用しないと表現できないんですな現世では、でも心はきちんとあるんです。肉体とは別に。少女はそこの事を伝えたくてお母さんに心を代理してもらっている。
──お客様さま、お客様に生きている意味があるからには、少女にだって生きている意味がないといけない──それは何か?
キーになるのが死に切れなかったというお母さんの言葉ですな。
何故か?
産んだからには「生きる」意味がある、権利がある、それを助けてあげられるのは自分しかいないという少女に対する「愛」ですな、その「愛」が死ぬのを踏みとどませた。
その結果、普通に生きることの奇跡、素晴らしさを少女は周りの人に伝え続けているのです。
そして、お医者さんはじめおそらく多くの看護師さんが関わっているのが想像できましょう、そこにあるのも単なる仕事だけじゃなく、「愛」でしょう。




