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全財産百円玉の件について
暖かな日、1人の少年が森から旅立った。
「んーーー!!!空気うまっ!」
少年、ユウリは大きく深呼吸する。
しばらくすーはーと森のおいしい空気を吸うと、キリッと目を開いた。
「さーて、これからどうするかな?」
ユウリは今自分がしたいことを考えた。
「うーん、とりあえず…。」
それは生きていく上で一番大切なこと。
「住むとことかお金とかどうにかしないとな。」
ユウリは今、お金も家もない。
というか、今家から旅立ったばっかりなので当たり前なのだが。
一応少しだけならお金を持ってる。
ユウリは上着のポケットから全財産を取り出す。
その手のひらにはきらりと光るシルバーのコインが一枚…百円玉だ。
百円…駄菓子が2個買えるが、1日すら生活するためには足りない金額。
「…」
「まっ、何とかなるでしょ。」
今確実なことは今日は野宿ということだ。
出だしから躓きまくる少年ユウリの冒険が始まった。