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聖奈美ルート・トスト(30)
「さっきも言ったが、きっと聖奈美は職場の人からイイ女に見られているんだろうな~」
「そうとも限らないわよ? 若いのに生意気って思われてるかもしれないし。ほぼ全員が年上なのに、その人たちに指示を出してるから」
「でも、上からってことはないだろう?」
「もちろん、敬語でしゃべるようにしてるわ」
「なら、礼儀正しい良い子って思われてるさ。ひょっとしたら、恋心的なものを思い浮かべてる人もいちゃうかもしれないな~。――そっちに、なびかないでくれよ?」
「……心外ね? あたしが吹雪以外の男の人のほうにいくと思う?」
「ないな、おそらく」
「そんな風に言い切れるのに、どうしてそんなことを言ったのよ」
「……聖奈美に、そんなことないわって言ってほしかったから」
「じゃあ最初から心配なんてしてないってことじゃないの」
「心が通じ合ってるし、何より聖奈美は嘘をつけないから、顔色見れば何となく分かるしな」
「確信犯じゃないの……」
「悪い悪い、許してくれ」




