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聖奈美ルート・トスト(29)
[場所:帰り道]
「――明日も休みだったよな?」
「ええ。でも、ちょっと会社の資料を作らないといけないから、外出はできないの」
「そうか。……プレゼンでもあるのか?」
「ううん、会社の人に、ヘルプを依頼されて、その手伝いよ」
「……ヘルプしてる余裕があるのか?」
「それなりに仲が良い子だから、断ることができなくてね。それに、必死に仕事を覚えようと頑張ってるのが分かるから、アシストしてあげたいって思ったのよ」
「そうか。……こう見えて、聖奈美はかなり社員想いだもんな」
「こう見えてって部分が、ちょっと引っかかるんだけど」
「さっき、自分で言ってたじゃないか。厳格な雰囲気でいるようにしてるってさ。だけど、そういう優しさも時々見せることで、職場の人たちの信頼を勝ち取るようにしているわけだ。そういう、職場の人の目線で、今の言葉を言ったのですよ」
「な、なるほどね」




