聖奈美ルート・トスト(1)
12月8日
「――ふぁ~あ、おはよ~ふーちゃん」
「おはよう、マユ姉。……今日は、学校行かなくていいのか?」
「今日はお休みだよ~、だから一日中家でグータラしてる~、じゃないとやってられないから~」
「全て語尾が間延びしてるな。……そんなに激務なのか? 最近」
「まあね~、これでも担任の先生だから、生徒のフォローっていうのがなかなか骨が折れるんだよ。問題児っていうのはいないんだけど、みんな元気だからさ~。それに合わせると体力を消耗するんだよ」
「何が骨が折れるだよ……俺からしたらマユ姉の方が問題児みたいなもんだぜ」
「あ~、またそういうひどいことを当たり前のように~」
「だってそうじゃないか? 家では俺が全てあなたの面倒を見ているのですから」
「そ、それはそうだけどさ~……」
「元気なら腐るほどあるんだから、そこで使わないでいつ使うんだよ。頑張って生徒のために尽力しな、繭子先生」
「はーい……お腹すいた~、ふーちゃんごはーん!」
「へいへい……」
数年経っても、マユ姉の容姿は一向に変わる気配がない。こんなのが担任だっていうんだから、不思議なもんだよな。まあ、誰にでも分け隔て無く接することができるから、そこを認められたっていえば多少納得はいくが……生徒に混じったらどれが担任なのか分かったもんではなさそうだ。
…………。




