聖奈美ルート・ヴィヴァーチェ(22)
「謙遜しちゃって……あなたのおかげで、あたしはここまで変わることができたのよ? 影響を真正面から受けたあたしが言ってるんだから、説得力は高いはずだけど」
「……さすが、社長の隣で秘書をやっているだけのことはある。言葉にズシンと重みがありますな」
「ふふ、約二年間、父さんにしっかりと鍛えてもらいましたから。長所はグイグイ伸びてますよ」
「何て言うか……風格が出てきてるもんな。同い年だというのに、オーラが違うように感じる」
「今は、スーツを着てるからじゃない? 私服になれば、ただの女性よ」
「いや、ただの女性じゃないな」
「え?」
「絶世の美女だ!」
「……あんまり、大きな声で言わないで? 恥ずかしいから」
「え? 声でかかったか?」
「語尾に!マークが付いてたわ」
「いかんな、つい自信満々に言ってしまった」
「吹雪って、自分以外のことは自信たっぷりに語るわよね」
「他人のことには自信があるからな、俺」
「もう少し、自分にも自信を持ってもらいたいものだけど」
「それが簡単にできたら苦労はしないんだ。まあ、大学卒業までには、もう少し改善できるように頑張る」
「――はーい、お待たせしました~。舞羽のおススメメニューの、ボルチーニ茸の明太クリームスパゲティでーす!」
舞羽の華麗な接客態度とは正反対の、ハツラツとした店員が参上した。まあ、コイツも見知った顔なんだが。




