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13.【レベッカの家】

[レベッカの家]


※『異世界中二病プロジェクト』本日も副音声は()でファンタジー肯定派のクロノマオウ女史、ファンタジー否定派の成瀬女史、SF映画監督の神谷でモニタールーム『神の間』からお届けしています。


「ただいま〜」(レベッカ)


「おじゃましまーす」(慎太郎)


「こんばんわー」(ミオナ)


「お父さん! この勇者さま達に助けて貰って薬草も見つけて貰ったんだよ」(レベッカ)


「おお、勇者様、魔法使い様、ありがとうございます」(父)



 (おい、お父さんは今なんで魔法使いって判ったんだよ。コレ大丈夫か?)


 (レベッカの方に『魔法使い』のセリフが抜けてたのよ)(成瀬)


 (耐えろー! ドキドキ)



「あ、えーと先にお薬を作ってきますからそちらのテーブルでお待ちください」(レベッカ)


「「はい」」(慎太郎、ミオナ)



 (ふぅ、耐えたね。勇者(しんたろう)で助かった~)(成瀬)


 (『レベッカ! レベッカ! もう一歩右! カメラもパンしろパン。紅茶の方のリプタンのティーバックが見えてるぞ!』)



 ササッ。クィッ。


「お二人はどちらからいらしたのですかな?」(父)


「はい、異世界の日本からです」(慎太郎)



 (えっ、これって普通日本って言うの?)(成瀬)


 (いえ、このパターンはかなりレアね。誤魔化す想定だけど思ったより素直だわね。でも大丈夫だと思う)(クロノ)



「慎太郎くん。日本じゃあ判らないわよ」(ミオナ)


「あっ、そうだね」(慎太郎)


「僕達は遠くの街から来ました」(慎太郎)


「そうですか。それは大変だったでしょう」(父)


 レベッカが戻る。


「お父さん。お薬出来たよ」(レベッカ)


「いつもすまないなぁ」(父)


「お父さん、それは言わない約束でしょ」(レベッカ)



 (何この昭和的セリフ。監督これ古くない?)(クロノ)


 (コント?)(成瀬)


 (いや、今のZ世代にはこういうのが新しいんだって)



「お二人はこちらのお茶をどうぞ♪」(レベッカ)


「ありがとうございます」(慎太郎)


「ところでお父さまは足をどうされたのですか?」(ミオナ)


「わたしは風の祠守をやっておりましての。先日祠の女神像が曲がってしまい直そうとした時に足元から魔獣に襲われたのです」(父)


「魔獣に!」(慎太郎)


「それはどんな魔獣なのですか?」(ミオナ)


「土の中から足元に出て来たので良く判りませんがかなり大きかったように思います」(父)


「大型の魔獣ね、慎太郎くん」(ミオナ)


「そ、そうだね」(慎太郎)


 少しビビっている慎太郎。


「お願いでございます。勇者様、魔法使い様。風の祠の魔獣を退治していただけませんか?」(父)


「うーん、土の中じゃあちょっと難しいかなぁ」(慎太郎)



 (勇者しんたろうがビビってるな。『ミオナ押してくれ』)



「慎太郎くんなら大丈夫よ」(ミオナ)


「そ、そっかな。そうだよね。もう大分強くなってるし」(慎太郎)



 (いつ強くなったのよ)(成瀬)


 (ほら、さっきレベル上がったじゃない)(クロノ)



「では、今日は私のお家に泊まって頂いて明日魔獣退治をお願いします。直ぐに夕食を用意しますね」(レベッカ)


「ありがとうございます」(ミオナ)


 レベッカが食事を出してくれる。


 見た目こそあたかも中世の料理のようだが中身は慎太郎が好きな食事のものを西園寺家の料理長が作ったものだ。


 本物の日本人にはとても厳しい食事がNGだと言う理由で慎太郎が諦めたらそこでゲームオーバーになってしまうからだ。



 (食事は大丈夫そうだな)


 (中世生活研究家の中尾先生は見た目だけギリokで中身には呆れてたよ。普通は硬いパンを凄い量食べてたのよね)(成瀬)


 (そりゃあ、あんな柔らかいパンも肉も美味そうな野菜もなかったからな)


 (でもさすが中尾博士。ラノベの人達もこういう料理を勉強すればいいのにね)(成瀬)


 (いやラノベだと直ぐに和食やカレー作るから大丈夫w)(クロノ)



 レベッカに部屋に案内してもらい慎太郎とミオナは別々に休む事になった。



 (まあ、誘導はしたいところだがさすがにミオナと同じ部屋は無理があるからな)


 (あっ、勇者(しんたろう)もうベッドに横になってるよ)(クロノ)


 (普通、こういう家では藁の上に寝てたんじゃないの? 随分と柔らかそうなベッドね)(成瀬)


 (ああ、特注のベッドだからな)


 (これ、このまま寝ちゃうんじゃない?)(クロノ)


 (不味いな。勇者(しんたろう)が寝たらもう朝まで起きない。『赤宮! 直ぐに初めてくれ!』)



 フォン。


『慎太郎! 慎太郎!』(女神エドナ)


「う、ううん、もう眠いんだけど。女神様だっけ。何て言うんだっけな」(慎太郎)


『エドナです。慎太郎』(女神エドナ)



 (よくこんな応答パターン作ったね)(成瀬)


 (お、おう。心理学者の大西先生のアドバイスだ。助かったな)


 (随分と臨機応変ね)(成瀬)



『慎太郎。風の祠にある女神像の下を探しなさい』(エドナ)


「何かあるんですか?」(慎太郎)


『あなたの冒険を助けてくれるでしょう』(エドナ)


「判りました」(慎太郎)


『それでは、良い冒険を!』(エドナ)


 フォン。


「はぁ、なんか色々とあったけど面白かったな。そろそろ寝るか」(慎太郎)


 ぐぅ。



 (これ明日になれば忘れてるよ)(成瀬)


 (『ミオナ、レベッカ、ノアマン。今日はもう上がりでいいぞ』)


 (『お疲れー』『お疲れさん』『はい。わたし大西先生と林博士と打ち合わせしたい』)(出演者達)


 (『ミオナ、真面目だな。よし俺も付き合おう』)


 神谷はこれから毎日のダイジェストを作ってプロデューサーの白鳥へ送らなければならない。


 腹痛でシーンを欠場した悪役組合ジョッカーの高岡 力也さんと九名 信夫さんが神の間にやって来た。


 契約上出演がないとギャラが減ってしまう。


 「判りました。なんとかしてみます」


 「すまねぇな監督」(力也)


 「たすかるぜ」(九名)


 「それは言わない約束でしょ。お疲れ様」


 撮影二日目の翌日、、、。


 目覚まし音が鳴った。


 テーレレレレッテテー。


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