10.【エルフのお色家シーン】
[エルフのお色家シーン]
※『異世界中二病プロジェクト』本日も副音声は()でファンタジー肯定派のクロノマオウ女史、ファンタジー否定派の成瀬遥香女史、SF映画監督の神谷でモニタールーム『神の間』からお届けしています。
(『監督! 緊急事態発生です。悪役組合ジョッカーの高岡 力也さんが腹痛でトイレに行ったまま戻ってません!』)(サブアシスタント)
(『なんだと! 一発勝負なのに、、、。間宮博士、代わりに予備の狼の魔獣行けますか?』)
(『3分頂ければ』)(間宮)
(『お願いします』)
(『ミオナ、緊急事態だ。3分稼いでくれ』)
◇◇◇◇◇
『キャッキャッ』『うふふ♪』
「慎太郎くん、右奥の方から声がするわ」(ミオナ)
随分と楽しそうな声だ。
「だ、誰かいるよね」(慎太郎)
「ここはゆっくりと慎重に行った方がいいわよ」(ミオナ)
「わかった」(慎太郎)
ソロリソロリと壁にへばりつくように進むと湯気が広がりエルフが三人温泉に入っていた。
湯気の辺りに妖精達が飛び回っている。
(わーあの妖精、可愛いホログラム♪)(成瀬)
(でも監督も好きそうだよね。こういう入浴シーン)(クロノ)
(ポロリ要員を準備したんだ。勇者はゲームのエロシーンを何回も繰り返してたからな。まあ中二相手だから残念ながら程々にだけどな)
(本当男連中こう言うシーン好きだよね。なんで必ず女エルフなのよ)(成瀬)
(男のエルフじゃ誰も興味ないからじゃねーか。なっマオウ)
(最近はそうでもないみたいよ。男同士もありかな)(クロノ)
(・・・そ、そうか。でも今はその情報いらないぞ)
「あれはエルフかしら」(ミオナ)
でへへへ。
「慎太郎くん!?」(ミオナ)
「はっ! う、うん。エ、エルフだよね」(慎太郎)
裸の入浴シーンに出くわし少し焦る慎太郎。
(『ミオナ、オーガ襲撃からブラックウルフ襲撃に変更する。後1分持たせてくれ。エルフ達も変更するから頼む』)
「慎太郎くん、エルフと言っても危険な敵かも知れないわ。ここは慎重に行きましょう」(ミオナ)
「そんな事ないよ、普通ハーレムだし、、、」(慎太郎)
(何言ってんのこのエロ系大好き中二病)(成瀬)
ガルルル。
(よし間に合った)
奥から狼の魔獣が出て来た。
「きゃー!」(エルフ達)
バシャバシャ。
(あちゃー、正面からモロ映ったな。こりゃあ編集は別アングルかモザイクだな)
(勇者鼻血出てるよ)(成瀬)
ゴシゴシ。
「慎太郎くん、ブラックウルフよ!」(ミオナ)
ダダッ、ダダッ。
(二足歩行ロボットもだけどこの四足歩行ロボットも凄いな)
(本当、背骨や尻尾までうまく動いてる。本物みたい)(クロノ)
(さすが元ガストン・ダイナミック社の間宮博士ね。ロボットじゃなくて生物を再現している最先端だわ、モーター音も効果音で消されてほぼ判らないわね)(成瀬)
「よし僕に任せて! たぁー!」(慎太郎)
(け、剣が抜けてねーぞ!)
「あれ?」(慎太郎)
(ぬ、抜けたー。はぁもう)(クロノ)
(そもそも勇者は剣の訓練なんかやってないからムリなんじゃない)(成瀬)
(スキルを実現するのは難しいからね。でもその気になればこれくらい、、、)(クロノ)
慎太郎が剣を抜くまで待っていたブラックウルフがようやく慎太郎に飛びかかる。
慎太郎は剣を振ったがロボットブラックウルフに押し負けて後ろに転がった。
ドン! ドテッ。
(わっ、あれ勇者大丈夫?)(成瀬)
(下はマットだし岩はスポンジだ)
「慎太郎くん! 私が! ライトニングボルト!」(ミオナ)
ビリバリビリ!
ズガーン!
(『視覚効果はカッコイイが効果音デカイぞ、ちょっと音を落として』)
魔法衝撃の音がダンジョン内をこだました。
(カッコイイ魔法みたいだけど、電気ショックって脂肪が分厚いデブじゃなけりゃ間違いなく魔法使う方が感電死してるわね)(成瀬)
(元も子もない事今言わないでくれよ)
ブラックウルフは口から血を流して倒れた。
ドタッ。
テッテレレー。
「よしまたレベルアップしたぞ」(慎太郎)
(マオウ、やっぱり勇者のレベル上がり過ぎじゃないか? しかも今倒したのミオナだし)
(これくらいじゃないと日程的に追いつかないのよ)(クロノ)
(はぁ)(成瀬)




